翻訳業界を活性化するために
テンナイン・コミュニケーションの初の試みである『オリジナル商品開発プロジェクト』の一環として、テンナイン・コミュニケーション翻訳部が『オリジナル香水』を販売いたします。
なぜ翻訳会社が香水をプロデュースするのか?プロジェクトの背景にある想いを計4回のブログで解説していきます。
第4回目の今回は「翻訳業界を活性化するために」についてお話します。
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2023年にテンナイン初の試みで実施した賞金200万円*の『翻訳グランプリ』は素晴らしい翻訳者さんの発掘に成功したものの、非常に悲しい出来事もありました。(*200万円分の翻訳関連業務のご依頼)
それは「最終選考に残った翻訳者Aさんがグランプリ選考プロセスへの参加を辞退の上、翻訳業界から距離を置く」というものでした。
理由は「翻訳業界に明るい希望が持てないから」
お若いながら5年以上のフリーランス翻訳キャリアのあったAさんでしたが、安定しない仕事の受注状況やフリーランスというライフスタイルについて翻訳グランプリ進行中も悩んでおられ、結果、最終選考中に翻訳業界から距離を置くという決断に至りました。
60名以上の応募者の中で、審査員も翻訳者Aさんの実力を高く評価していただけに、翻訳部としてはあまりにもショックな出来事でした。
翻訳者Aさんと同じようにAI翻訳の進化や価格競争の激しい翻訳業界を目の当たりにして、同様の不安を抱く翻訳者さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
「翻訳業界に明るい希望が持てない」という声は、この業界に身を置く立場として、何か行動を起こさなければならないと考えるに十分な理由でした。
ただAIの脅威や価格競争を嘆いて無策でいるのではなく、具体的な行動を起こさなければいけない。人が行う翻訳に未来を感じてもらう必要がある。そう考えました。
だからこそ、私たちは『オリジナル香水プロジェクト』に挑戦します。
もちろんこの香水プロジェクトが翻訳者さんの仕事の安定に直接繋がるかどうかは分かりません。
ただ、これまでのブログで書いた通り、このプロジェクトは「AI翻訳に対抗するノイズ」となり、「価格破壊を防ぐためのブランディング」となると信じています。
何よりも「翻訳者だからこそ楽しめる、翻訳から生まれた楽しいイベント」「一種のお祭り気分を味わえるイベント」にしたいと思っています。
翻訳を楽しむ。これこそがAIができないことであり、翻訳業界の未来に希望を持つためのヒントではないでしょうか。
■最後に
オリジナル香水プロジェクト・ブログ計4回はいかがでしたでしょうか。最後のブログにある通り、私たちの最終的な目標は「翻訳業界の活性化」です。私たちはAI翻訳の進化をただ嘆いて、何もしない無策な企業にはなりません。常に新しい挑戦を続け、社会に「翻訳のファン」を増やし、50年100年続く企業を目指します。
例えば、今回の『架空の香水』という商品は、最初で最後のオリジナル商品ではないかもしれません。今回のプロジェクトを成功させ、実績を作り、「架空の〇〇」という商品をシリーズ化して、毎年違った「翻訳者の頭の中にあるさまざまな架空の商品・サービス」を販売したいと考えています。
今回が、長く続いていく伝統あるプロジェクトの第1回目となれば嬉しく思います。
このプロジェクトにぜひご賛同とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。