第276回 出版記念イベントって、どうするの?
まずは、リマインドから。出版翻訳家デビューサポート企画の応募締切は、本日6月5日です。どうぞお忘れなく!
さて、今回は出版記念イベントのお話です。「まだ企画が通る見込みもないのに、そんな先のことなんて考えられない」という方も多いかもしれませんが、晴れて出版できた時のことを考えてみると、励みになるものです。実際、私も、うまくいかない時には「これは出版記念イベントで話題にできる!」と思うことで気持ちが軽くなりますし、自分の状況を俯瞰しやすくなります。
「出版できたら、どんなイベントをしよう?」と思っていると、人のイベントに参加する際も、「自分もこの会場でイベントをしてみたい」「こういう裏話が聞けると満足感があるんだな」「こうやって進行すると参加者も楽しめていい雰囲気になるんだな」という具合に、開催する側の視点で考えられるようになります。リアルに想像できるようになると、思い描いた未来に現実が引っ張られて進むこともあるでしょう。
出版記念イベントがどんなものかは、一概に言えません。リアル開催にするのか、オンライン開催か、それともハイブリッドか。形式からして選択肢が複数あるだけでなく、ジャンルによっても、かなり違ってくるからです。絵本であれば、読み聞かせがあったり、ライブペインティングがあったりと、にぎやかなイベントも多いですよね。
翻訳書の場合にはあまり見かけませんが、ビジネス書系の著者さんの場合、著者としてのブランディングを兼ねて、かなり派手にやることもあります。ドレスやタキシードで、ホテルのパーティ会場やウェディング会場を使って開催するイベントになるので、参加費も10000円から15000円くらいになります。
これは、ご本人にとって出版が一生に一度レベルのイベントという理由も大きいかと思います。出版が本業で何冊も出している場合は、日常のひとコマという位置づけになるため、書店などで開催することが大半です。
学術書など人文書や小説など文芸書の場合も、書店での開催が多いでしょう。イベント専用のスペースを設けている書店も結構あります。セミナー会場で開催されることもありますが、いずれの場合も、参加費は2000円以内でしょうか。無料の場合もあります。読書会を出版記念イベントにして、読者とより深い交流を図る場合もあるでしょう。
「出版記念イベントを開催したい!」と思ったら、まずは担当編集者さんにご相談してみましょう。これまでに出版社のほうで色々なイベントを開催されているでしょうから、候補となる会場を教えてくださるでしょうし、諸々の手配をしてくださるでしょう。
その出版社や担当編集者さんの手がけられた作品の出版記念イベントがあれば、参加しておくことをおすすめします。そうすれば「こんな感じで開催するんだな」とイメージできますし、「自分の時はここをこう変えたい」など、希望を具体化してお伝えしやすくなるでしょう。
開催にあたっての費用や、告知や集客方法もまちまちです。たとえば、書店で開催するとして、告知にご協力いただけるのか、集客もお任せできるのか、それとも基本的には自分たちで告知も集客もまかなうのか。参加者には書籍をお求めいただく必要があるのか、それとも書籍がなくても参加できるのか、などなど……。
「できるだけ多くの方に来てほしい」「作品を読み込んでくれた読者と少人数でゆっくり話したい」「参加者とドリンク片手に交流する時間を持ちたい」という具合に自分の望むスタイルを思い描いてみてください。そして持ち込みがうまくいかない時は、そのイメージを励みに、また次に向かいましょう!
※出版翻訳家デビューサポート企画の新規募集について、詳細はこちらの記事をご覧ください。
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