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第203回 出版翻訳家デビューサポート企画2022年総括

寺田 真理子

あなたを出版翻訳家にする7つの魔法

今回は年内最後の連載なので、出版翻訳家デビューサポート企画の総括をしておきたいと思います。それぞれの応募者と進捗状況を振り返りましょう。長くなりますが、持ち込み状況に応じたヒントがたくさん詰まった内容になっていますので、ぜひお役立てくださいね。

【現役医師のYさん……医療現場を舞台にした短編小説集】
第159回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート③」:旧版の翻訳書が刊行されている場合にどう考えるか、また、医師であるYさんが翻訳を手がけることについて書いています。
第176回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート⑲」:Yさんの試訳で私が指摘した、翻訳するうえで気をつけたい点とは……?
第177回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート⑳」:Yさんの試訳に見受けられた専門家ならではの見落としと、逆に専門家ならではの知見を活かしきれていないところについて言及しています。
第178回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート㉑」:出版社のお問い合わせ窓口からコンタクトする際に盛り込むべき情報とは……?
第189回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート㉛」:編集者さんにもう一押しする際にアピールしたいポイントとは……?
第190回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート㉜」:編集者さんに求められたデータと、用意したい説得材料について触れています。
第191回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート㉝」:翻訳を自分で手がけるために、編集者さんに伝えるべきポイントとは……?

Yさんからはパワーポイントのプレゼン資料をいただいたところですので、その内容と合わせ、また進捗をレポートしていきますね。Yさんの真面目さや誠実さが、企画の進め方にも表れています。物事を成し遂げるうえで、Yさんの態度から学べることが多いのではと思います。

【アメリカ在住のHさん……専門的なメソッドを子ども向けに解説した絵本】
第160回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート④」:絵本の翻訳の場合に気をつけたい点について言及しています。
第161回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート⑤」:著者に連絡を取ったHさん。原書の出版元からの情報を基に、日本の翻訳エージェントにも連絡を取りました。励まされる展開についてお伝えしています。また、同じ著者の別の翻訳書が出版される場合の受け取り方についても言及しています。
第187回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート㉙」:複数の出版社に同時に持ち込みをしてもいいのかについてお伝えしています。

Hさんからは絵本以外に専門書の企画もいただいていますので、そちらもまとめてレポートしていきたいと思います。Hさんはご自身の直感やフィーリングを大切にされる方なので、それを信じて「これかな?」と感じる方向に進んでみることで、するすると道が拓けていくと思います。

【別ジャンルに挑戦するIさん……アーティストの評伝】
第162回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート⑥」:完成度の高いIさんの企画書の中で、気になった3つの点とは……?
第163回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート⑦」:面識のある編集者さんに持ち込むという私の提案に対し、「自分からはもうご連絡しないほうがいいのでは?」というIさん。よく見受けられるこの思考パターンの背後にあるものについて考えました。
第164回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート⑧」:面識のある編集者さんに実際に連絡を取ってみるとどうなったでしょうか……?
第180回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート㉒」:伝手があることをどう捉えるか、また、Iさんの強みについて言及しています。
第181回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート㉓」:企画書のスタイルをダイナミックに変更したIさん。その理由とは……?
・第182回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート㉔」:B社とC社の結果を受けてのIさんとの作戦会議のレポートです。
第183回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート㉕」:企画を通すプロセスをどう扱うかについて言及しています。
第184回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート㉖」:持ち込みにあたり、相手との接点を探って、どの部分をうまく重ね合わせられそうか考えていくことも大切です。
第185回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート㉗」:企画がうまく通らない時の考え方とは……?
第194回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート㉞」:企画を持ち込むにあたって、私が頼った意外な伝手とは……?
第195回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート㉟」:長い目で見てご縁をつないでいくことの大切さについて言及しています。
第196回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート㊱」:持ち込みのプロセスを通じて、目覚ましい進化を遂げているIさんの様子をお伝えしています。

Iさんからその後の進捗もご報告いただいていますので、またレポートしていきますね。こうしてまとめると、いかにがんばって進んできたかがわかります。Iさんの精力的な行動に励まされた方も多いことでしょう。あとはもうマッチングだけですので、最高の報告をできるのを期待しましょう。

【ブラジル在住のTさん……ブラジルの現代文学】
第165回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート⑨」:作品をどういう文脈でとらえるべきか、また、表記の問題について、人に企画を一度見てもらった場合のその後の対応についても触れています。さらに、海外在住ならではの強みとは……?
第188回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート㉚」:Tさんの理想的な展開と、人に持ち込んでもらった時にやってはいけないことについてお伝えしています。

Tさんの企画はまだご検討中かと思いますので、よい結果を願いつつ、またご連絡があり次第レポートいたします。教わったことをしっかり活かして形にしていく、粘り強さとぶれない姿勢をお持ちのTさんなので、着実に進めていかれることでしょう。

【再デビューを目指すAさん……児童書2冊】
第166回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート⑩」:実力がありながらも自分で自分にブロックをしてしまっていたAさん。思い切って頼んでみるのも「あり」だと考え方を変えてみると……?
第167回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート⑪」:Aさんの「謎ルール」と、その縛りがなくなって可能性が大きく開けたことについてお伝えします。また、躊躇しがちな「電話をかける」ことについても言及しています。
第168回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート⑫」:もう1冊の企画についても、Aさんは動き始めました。フィードバックがあることで、「どうせダメ」という認識から、「動けば進展がある」という認識に変わっていきます。
第169回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート⑬」:出版翻訳の助成金についても触れています。また、私がある出版社をおすすめした理由とは……?

Aさんからもその後の進捗をお知らせいただいていますので、またお伝えしていきますね。考え方が変わることで物事が大きく進んでいくことを身をもって示してくれたAさん。同じ悩みを持つ方は多いので、勇気づけられたのではないでしょうか。Aさんの実力にふさわしい実りを報告できますように。

【夢実現に楽しく邁進中のJさん……動物を主人公にした古典名作絵本】
第170回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート⑭」:「この方にお会いしたい」と思わせるJさんの企画書とは……?
第171回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート⑮」:Jさんが紆余曲折を経て絵本に戻ってきた「そもそも論」と、読み聞かせの活動を活かしたアプローチについて触れています。
第172回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート⑯」:通常とは違うやり方でお叱りを受けてしまった時の、Jさんの頼もしい受け取り方とは……?
第186回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート㉘」:番外編としてお届けしました。こちらが思う以上に、出版社のほうが実現に向けて一生懸命動いてくれていることもあるのです。

Jさんのその後の進捗も、またお伝えしていきますね。パワフルに行動しているJさんなので、その行動力と持ち前の明るさで道を切り拓いていかれることでしょう。考え方や行動という点で、読者の方に気づきとなることを多くお伝えできるかと思っています。

【コンテスト上位常連のKさん……社会派の長編小説】
第173回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート⑰」:社会派の作品を提案する場合に気をつけたいことと、レベルの高いKさんの試訳で気になった点とは……?
第174回「出版翻訳家デビューサポート企画レポート⑱」:そこまでするのかと私も驚いた、夢を実現するためのKさんの行動とは……?

将来のことを考えて大きな仕組みづくりから取り組んでいるKさん。その分時間はかかるかもしれませんが、長い目で見た場合、コンスタントに翻訳書を刊行していけるようになるのではないでしょうか。成果が出てくるのを楽しみに待ちたいと思います。

応募してそれぞれにがんばってくださった参加者のみなさま、本当にありがとうございます。読者の方々にうれしいご報告ができるように、来年もご一緒にがんばってまいりましょう!

今の時期には編集者さんは年末進行でお忙しい可能性もありますが、すでにある程度お仕事を終えて余裕があるかもしれません。このタイミングで進めていくか、あるいは心機一転でお正月明けの新しいことを始めたくなる時期に進めていくか……。判断が難しいところですが、ご自身の直感で、よさそうなタイミングを見計らって進めてみてくださいね。

実は、他にもまだご紹介できていない方々がいらっしゃいますので、ある程度進捗があったところでまとめて来年レポートできればと思います。

なお、この企画に応募したいというご連絡をよくいただくのですが、これ以上の人数を継続的にサポートさせていただくのは難しく……。何名かの方々が無事に出版されたところで次を考えようかと思っています。単発でのサポートであれば個人セッションで対応できますので、そちらをご検討くださいね。

それでは、みなさま今年もありがとうございました! 少し早いですが、どうぞよいお年をお迎えくださいませ。次回の更新は2023年1月11日となります。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

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Written by

記事を書いた人

寺田 真理子

日本読書療法学会会長
パーソンセンタードケア研究会講師
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー

長崎県出身。幼少時より南米諸国に滞在。東京大学法学部卒業。
多数の外資系企業での通訳を経て、現在は講演、執筆、翻訳活動。
出版翻訳家として認知症ケアの分野を中心に英語の専門書を多数出版するほか、スペイン語では絵本と小説も手がけている。日本読書療法学会を設立し、国際的に活動中。
ブログ:https://ameblo.jp/teradamariko/


『認知症の介護のために知っておきたい大切なこと~パーソンセンタードケア入門』(Bricolage)
『介護職のための実践!パーソンセンタードケア~認知症ケアの参考書』(筒井書房)
『リーダーのためのパーソンセンタードケア~認知症介護のチームづくり』(CLC)
『私の声が聞こえますか』(雲母書房)
『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』(クリエイツかもがわ)
『認知症を乗り越えて生きる』(クリエイツかもがわ)
『なにか、わたしにできることは?』(西村書店)
『虹色のコーラス』(西村書店)
『ありがとう 愛を!』(中央法規出版)

『うつの世界にさよならする100冊の本』(SBクリエイティブ)
『日日是幸日』(CLC)
『パーソンセンタードケア講座』(CLC)

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