第154回 出版翻訳家デビューサポート企画レポート①
前回発表した出版翻訳家デビューサポート企画に、早速ご応募やお問い合わせをいただき、とてもうれしく思っています。補足を兼ねて、お問い合わせいただいた点についてお答えします。
まずは、「翻訳したい原書と企画書をご用意いただいていること」という条件についてです。こちらは、「すでにご自分の中で訳したい原書が決まっていること」という意味です。企画書に記載していただいた原書情報を拝見して概要を確認いたしますので、私の分の原書をご用意いただく必要はありません。
また、すでに翻訳書を出版している方のご応募にも、対応させていただきます。たとえば、すでに複数冊出版されていても、それから時間が経ってしまい、実質的に再デビューになる場合もあるでしょう。また、これまでとはまったく違う分野での出版になる場合もあるでしょう。あるいは、共訳書はあるけれども自分ひとりでの翻訳書ははじめてであったり、ビジネス翻訳は長年やってきているけれども出版翻訳ははじめてであったり……いろいろなケースがあるかと思います。サポートが必要と感じておられる方は、どうぞご遠慮なくご相談くださいね。
これに関連して思ったのが、募集要項にとらわれなくてもいいということです。たとえば「30歳まで」とあったとしても、募集する側はそれほど厳密にそこで区切っているわけではないんですよね。それなのに応募する側が「私は31歳だからダメ」などと諦めてしまっていることが多いのではと思います。だけど世の中には、「私は40歳だけど、いいよね!?」と応募してしまう方もいるのです。募集要項をきちんと見ていないダメな人として一蹴されてしまうこともあるでしょうが、「こんなに外れているのに応募してくるなんて、面白い」とかえって目立って採用されてしまうこともあるのです。
同様に、「経験者のみ」とあった場合、たいていの方が「実績の壁」に躓いてしまい、挫折してしまいます。ここでも、「自分には経験がないからダメ」と思わずに、「未経験だけど、こんな経験があるから大丈夫なのでは?」とアプローチしてみると、採用されることもあるでしょう。そんな姿勢が道を切り拓いてくれるのではないでしょうか。また、「これならどうかな?」「こうすればいけるかも!?」と試みることで突破口を見つけやすくなりますし、企画を通していくための発想力も鍛えられると思います。
というわけで、引き続き企画へのご応募、楽しみにお待ちしています!
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