TRANSLATION

第72回 書籍化されます!

寺田 真理子

あなたを出版翻訳家にする7つの魔法

今回は、うれしいご報告があります。

この連載が、書籍化されます!

『翻訳家になるための7つのステップ 知っておきたい「翻訳以外」のこと』というタイトルで6月23日から順次全国の書店さんに並びます。

出版社に持ち込んで、書籍化が決まりました。翻訳書と著書の違いがあるとはいえ、私のとった行動は、この連載でお伝えしてきたことと同じです。そこで、これまでの復習を兼ねて、どうやって持ち込んだかをお伝えします。

昨年末の時点で、連載原稿も1年分溜まり、本にできる分量になっていました。書籍化したいとそれまでも漠然と思っていましたが、具体化できるようになっていたのです。

そこで、どこに持ち込むかを考えたときに、まずは本の位置づけを考えました。内容は語学関連ですが、TOEICなどの資格試験を扱った、広く一般向けのものではありません。カテゴリとしては実用書になるのでしょうが、ビジネス書寄りの出版社だとノリが違います。かといって英文法や翻訳の技術などガチガチの語学本を出しているところも、カラーが違う気がします。では、どういう出版社なら合うのでしょうか?

そこで、ふと思い浮かんだのが雷鳥社さんでした。以前に同社から刊行されている『チョコレートの手引』を読んだことがあったのです。通訳時代からチョコレートにはお世話になっていますし、チョコレートエキスパートの資格を取得したほどのチョコ好き。この本もチョコレートに惹かれて読んでいました。内容はもちろんのこと、デザインや紙質へのこだわり、帯にいたるまでとても丁寧につくられていて、いい本づくりをされているなあと印象に残っていたのです。

その当時にサイトを拝見したところ、書店で見かけて気になっていた「辞典シリーズ」など、興味深い本が色々と刊行されていました。大人が本気で遊んでいて、楽しんで本づくりをされているように感じました。

『雷鳥の森』という本が好きなので社名に好印象を持ちましたし、何といっても私は落雷火災経験者ですので、雷にはご縁がある気がするのです(笑)

思いついたところで、あらためてサイトを拝見してラインナップを確認すると、教科書のような作品も多数刊行されていました。これなら、私の企画もうまくそのカテゴリに当てはまるのではと考えたのです。

理詰めで持ち込み先を考えたというよりも、「なんとなくここがよさそう」と直観で決めた部分が大きかったと思います。これは原書探しでもお伝えしたことですが、潜在意識が働いて探してくれるので、直観に任せたほうがいいことが多いのです。

伝手はありませんでしたが、企画募集をしている旨の記載がありましたので、メールで直接応募しました。その際に、上記のように既刊本を拝読していたことと、ラインナップにも沿うのではと考えたことを申し添えています。とはいえ、お返事があるまでに1か月はかかるだろうと思い、気長に待つつもりでいました。それが、翌日には早速編集者さんからご連絡があり、お会いしましょうという運びになったのです。

実は、私には、持ち込みにあたって「心理的な壁」がありました。次回の連載では、その点についてお伝えします。

※『翻訳家になるための7つのステップ 知っておきたい「翻訳以外」のこと』、ご予約を開始しています! どうぞよろしくお願いいたします。

Written by

記事を書いた人

寺田 真理子

日本読書療法学会会長
パーソンセンタードケア研究会講師
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー

長崎県出身。幼少時より南米諸国に滞在。東京大学法学部卒業。
多数の外資系企業での通訳を経て、現在は講演、執筆、翻訳活動。
出版翻訳家として認知症ケアの分野を中心に英語の専門書を多数出版するほか、スペイン語では絵本と小説も手がけている。日本読書療法学会を設立し、国際的に活動中。
ブログ:https://ameblo.jp/teradamariko/


『認知症の介護のために知っておきたい大切なこと~パーソンセンタードケア入門』(Bricolage)
『介護職のための実践!パーソンセンタードケア~認知症ケアの参考書』(筒井書房)
『リーダーのためのパーソンセンタードケア~認知症介護のチームづくり』(CLC)
『私の声が聞こえますか』(雲母書房)
『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』(クリエイツかもがわ)
『認知症を乗り越えて生きる』(クリエイツかもがわ)
『なにか、わたしにできることは?』(西村書店)
『虹色のコーラス』(西村書店)
『ありがとう 愛を!』(中央法規出版)

『うつの世界にさよならする100冊の本』(SBクリエイティブ)
『日日是幸日』(CLC)
『パーソンセンタードケア講座』(CLC)

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