第26回 「わかる」を「できる」に
断られたら、次に。また断られたら、また次に。そうやって企画が通るまで進みつづけましょう。
どれくらい時間がかかるかは個人差があります。すんなり企画が通る場合もあれば、長年かかる場合もあるでしょう。私も、出版社を探し出してから3年ほど経ってようやく本になった経験があります。あきらめずに、気長に、企画が通るまで続けてくださいね。
この連載で、「あなたを出版翻訳家にする7つの魔法」をすべてお伝えしてきました。ここまで読んでくれたあなたなら、何をどうすればいいのか、もうわかったはず。だけど、「わかる」のと「できる」のは別物です。そう、魔法は使わなければかからないのです!
だから、ここから「わかる」を「できる」に変えていきましょう。小さな一歩で構いません。踏み出せば、確実に未来は変わるのですから。
「翻訳学校になんとなく通っているけれど、このままで本当に出版翻訳家になんてなれるのかしら」「いつか出版翻訳家になりたいけれど、何をどうすればいいのかわからない」……そんなふうに、いままでは、先が見えない道だったと思います。だけどいまは、「進めばたどり着けることが確実な道」があるのです。
第6回の連載でもお伝えしたように、あなたがこれからやっていくのは、とても地味で地道なことです。それを支えるのは「書物への愛」「言語への愛」そして「こんなに素晴らしい本があるのだから、ぜひ日本に伝えたい!」という「宗教家のような情熱」なのだと思います。そこに自分の喜びの源泉があるのなら、きっと続けていけるでしょう。
私も、次の本の翻訳にいま取り組んでいます。どこから出版するかは未定のまま進めていますが、「この分野にこんなアプローチはいままで日本になかった。これはぜひ伝えなくては!」という気持ちが推進力になっています。もしかしたら、その本が出版される頃には、この連載の読者の方が出版翻訳家デビューしているかも……と楽しみにしています。
くじけそうになったら、この連載を繰り返し読んで、またぜひスタートしてください。「こんな企画が通った」という声を聞ける日を心待ちにしています!
次回からは、読者の方からのご質問にお答えしていきたいと考えています。「この部分をもっと詳しく知りたい」「こういう場合はどうすればいいの?」「ここで行き詰まってしまった」など、知りたいことや困っていることを教えてください。こちら(私の主宰する日本読書療法学会のお問い合わせ欄になります)からご連絡いただければ、個別にお答えしていくほか、個人情報を出さない形で連載の中でご紹介していきます。きっと同じようなことで悩んでいる方は多いはずなので、「こんな初歩的な質問をしてもいいのかしら」などと遠慮せず、あなたが前に進むために必要なことを教えてくださいね。
他にも、「こんな企画を求めている」「こういう原書なら歓迎」という情報を交えた編集者さん側へのインタビューなど、出版翻訳家になりたいあなたをサポートできる内容を考えています。こちらも、リクエストがあればお知らせくださいね。
一緒に「わかる」を「できる」に変えていきましょう!