第23回 名刺をつくる
伝手を使って持ち込む場合でも、直接持ち込む場合でも、あなたの企画書を編集者さんに見てもらえることになったら、まずは名刺を用意しましょう。
この名刺は単なる連絡先ではなく、プロフィールの場合と同様に、翻訳家としてのあなたをアピールする役割があります。「翻訳家」「翻訳」などの言葉とともに、専門知識のほうでアピールできることがあれば、あわせて記載しておきましょう。
たとえば料理の場合であれば、「料理研究家」などの肩書を入れておくことができます。オリジナルの肩書をつくって掲載することも考えられます。これは持ち込み先の出版社のカラーによっても変わってきます。
学術書などを扱う硬いカラーの出版社であれば、見慣れない肩書をつけていると、軽い人だと思われてマイナスになるでしょう。逆に実用書やビジネス書など手軽な読み物を主に扱っている、目新しいもの好きで柔らかいカラーの出版社であれば、おもしろそうな人だと目を止めてくれるきっかけになるでしょう。
もし「料理研究家」の代わりに「料理請負人」や「フードカウンセラー」「美食の女王」「グルメエバンジェリスト」といった肩書だったら、どうでしょう? 「どんなお仕事なんですか?」と話を聞いてみたくなりますよね。
持ち込み先の出版社のカラーを見ながら、おもしろがってもらえそうだと判断したら、こんなふうにちょっと変わった肩書をつけてみるのもいいかもしれません。
また、出版業界の方は、紙質などにも関心をもっています。紙質がいいと、「いい紙を使っていますね」と反応があります。変わったデザインであれば、そこから話が弾むきっかけにもなります。料理であれば料理をイメージしたアイコンを入れるなど、印象に残る工夫をしてみましょう。
あなた自身を翻訳家として、またその分野の専門家としてアピールする……そのためのツールのひとつとして名刺を用意しましょう。