第22回 断られたら……
あなたの提案した企画が、検討の結果、出版社から断られることもあるでしょう。思い入れの強い原書ですし、プロフィールの作成など、大変な準備をして企画書をつくっただけに、断られるとものすごく落ち込んでしまうかもしれません。
実際には、断られるのは「よくあること」なのです。そのときにやってほしくないのは、自分自身が否定されたかのように受け止めてしまうことです。
断られて落ち込む人は、「断られた」=「自分を否定された」と捉えてしまうようです。ここでしっかり認識しておいてほしいのは、断られたのはあくまでもあなたの「提案した企画」であって、「あなた自身」ではないということです。
自己肯定感が低い人は、この区別があまりできておらず、自分自身が否定されたと受け止めてしまいがちです。しっかり別物だと認識しましょう。
もちろん、企画書に甘い点があったり、必要な情報が欠けていたりすれば、補う必要があります。それは補えばすむことです。
だけどたいていの場合は、単にマッチングがうまくいかなかっただけのことなのです。企画内容と出版社の方針やタイミング、好みなどがたまたま合わなかった。ただそれだけのことです。たとえば出版社が力を入れようとしている分野と違っている、その原書はすでに検討してやらないことに決まっていた、手がけたい編集者はいるけれど多くの書籍を担当していてあなたの企画には手が回りそうにない、等々。だから落ち込まずに、その時間を次の出版社を探すことに使いましょう。
たとえば10社のうちに1社、あなたの企画書を求めている出版社があったとしましょう。その1社に最初から当たる場合もあれば、9社回って断られ続けて、最後の10社目でようやく当たる場合もあるのです。だから断られても「タイミングがうまく合わなかったんだな」と思う程度にして、落ち込む時間は最小限に抑え、次に向けて準備をしましょう。
知人のベストセラー作家は、自分で出版社に企画を持ち込むことも多いそうです。それだけの実績があっても自分で持ち込みをすると知って驚きましたが、さらに驚いたのは、断られる場合もあるということです。それもやはりマッチングなんですね。たまたまその企画が相手の出版社の求めているものとは合っていなかっただけのことです。他の出版社だったら、通るかもしれません。
ベストセラー作家だって断られることもあるのですから、新人の企画が断られるのは何の不思議もありません。断られても重く受け止め過ぎず、次に進んでいきましょう。