第21回 直接持ち込む
前回の連載で、伝手を使って持ち込むことをお伝えしました。だけど、どうしても伝手が見つからない場合には、直接持ち込むこともできます。
出版社のサイトを見てみましょう。「企画の持ち込みを受け付けています」と明示している出版社もあります。その場合は、応募規定も記載されているはずですので、よく確認して、規定に合わせて応募しましょう。
「持ち込みは一切受け付けていません」と記載している出版社も多いです。特に記載がなく、受け付けているのかどうかわからない出版社もあります。不明な場合は、送ってみるのもひとつの手です。ただし、ただ送るのではなく、「どうしてその出版社に送ったのか」がわかるようにして送ってほしいのです。
たとえば、「自分が手がけたい原書にすごく通じる類書があった。この出版社なら原書の内容をきちんと理解して出してくれると思った」ということなら、その思いを文章にまとめ、企画書に添えて送りましょう。
もし類書に担当編集者さんの名前が記載されていれば、その方宛てに送ることができます。名前がわからない場合でも、“『○○』(書名)のご担当者さま”と個人を特定できるようにして送りましょう。そうすれば、相手にも「この人は自分の仕事をちゃんと見たうえで連絡をくれたんだな」とわかりますので、あなたの企画書に目を通してくれる可能性も高くなります。
私も、『なにか、わたしにできることは?』というスペインの絵本のときは、伝手がなかったので直接持ち込みました。その出版社もスペインの絵本を出版翻訳していて、内容も、大人向けともいえる重いテーマを扱ったものでした。「こういう絵本を扱っている出版社なら、検討していただけるのではないか」と考えて持ち込んだのです。
単に送るのではなく、「どうしてそこを選んだのか」がわかるようにして送りましょう。相手の反応も違うはずです。
送るのは基本的に郵送です。1週間ほどたっても特に連絡がない場合は、メールや電話で「こういう書類をお送りした者ですが、届いていますか?」と確認しましょう。
その際に「持ち込みはお断りしています」と言われてしまうかもしれませんが、検討してもらえるようであれば、先方も「確認してまたご連絡します」と言ってくれます。
最終的に返事をもらえるまでには、結構待たされることが多いでしょう。1か月ほどしてもまだ連絡がない場合は、再度確認してみることをおすすめします。