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第20回 7つの魔法⑦~出版社に持ち込む

寺田 真理子

あなたを出版翻訳家にする7つの魔法

実績を備えたプロフィールを記載し、企画書が完成したら、いよいよ最後の魔法を使いましょう。

7つの魔法⑦は、「出版社に持ち込む」です。サンプル原稿と一緒に、企画書を出版社に持ち込みましょう。

まずは、どこに持ち込むかを考えます。企画書をつくるときに、「類書」を検討しましたよね。あなたが出版したい原書と類似の本を調べたはずです。その類書の出版社を候補に考えましょう。類書を出しているなら、あなたの企画書に興味を持ってくれる可能性が高いからです。

持ち込むときに大切なのは、「伝手をたどる」ということです。編集者さんはとても忙しいため、持ち込み企画には目を通さない方が大半です。だけど知人からの頼みなら、目を通してくれます。“know how”ではなく“know who”、つまり誰を知っているかが大事だといわれるように、知人からの紹介だとやはり扱いが変わってくるのです。直接飛び込んでしまう前に、誰かその出版社に伝手がないかを探してください。

直接の知人がいないと、「そんな伝手なんてありません!」と思うかもしれませんが、そのときは7つの魔法⑥「実績をつくる」で学んだことを思い出しましょう。伝手を探す、伝手をつくるということを考えてほしいのです。実際、自分の知人にはいなかったけれど、知人の知人が目当ての出版社で働いていた、というケースもあるのです。

「六次の隔たり」といって、知人をたどっていくと6人目までにはつながりたい人とつながれるといいます。何人かを介することで、自分が会いたい人と会えるのです。

ReFa CARATという美容器具で有名な株式会社MTGは、サッカー選手のクリスティーナ・ロナウドや歌手のマドンナとコラボレーションをしています。最初は何の伝手もなく、コラボレーションをしたいといっても、「何をバカなことをいっているんだ」と片づけられていたそうです。

そこでどうしたかというと、それぞれの国、つまりポルトガルとアメリカに行って、「ロナウド知らない?」「マドンナ知らない?」と街角で通りすがりの人に声をかけていったのです。最初はやはり「バカなことをしている人がいるな」という目で見られていたのですが、それを続けていって、とうとうそれぞれ1年半から2年後には契約にこぎつけることができたのです。

海外の著名人とすら、何もないところからスタートしてちゃんとつながることができるわけですから、国内にいる編集者さんとつながるチャンスははるかにたくさんあるでしょう。

他にも、目当ての出版社でバイトを募集していれば、応募して内部に入ることだって考えられます。その出版社の近くに編集者さんが通いそうなカフェがあれば、そこで知り合うこともできるでしょう。いくらだって方法はあります。

まずは、伝手を探して、つくって、その伝手をたどって持ち込みましょう。

Written by

記事を書いた人

寺田 真理子

日本読書療法学会会長
パーソンセンタードケア研究会講師
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー

長崎県出身。幼少時より南米諸国に滞在。東京大学法学部卒業。
多数の外資系企業での通訳を経て、現在は講演、執筆、翻訳活動。
出版翻訳家として認知症ケアの分野を中心に英語の専門書を多数出版するほか、スペイン語では絵本と小説も手がけている。日本読書療法学会を設立し、国際的に活動中。
ブログ:https://ameblo.jp/teradamariko/


『認知症の介護のために知っておきたい大切なこと~パーソンセンタードケア入門』(Bricolage)
『介護職のための実践!パーソンセンタードケア~認知症ケアの参考書』(筒井書房)
『リーダーのためのパーソンセンタードケア~認知症介護のチームづくり』(CLC)
『私の声が聞こえますか』(雲母書房)
『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』(クリエイツかもがわ)
『認知症を乗り越えて生きる』(クリエイツかもがわ)
『なにか、わたしにできることは?』(西村書店)
『虹色のコーラス』(西村書店)
『ありがとう 愛を!』(中央法規出版)

『うつの世界にさよならする100冊の本』(SBクリエイティブ)
『日日是幸日』(CLC)
『パーソンセンタードケア講座』(CLC)

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