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第12回 7つの魔法④~企画書をつくる
7つの魔法の4つ目は「企画書をつくる」です。あなたが出版翻訳したい原書がどんな本なのかを伝えるために、企画書をつくりましょう。
原書を出版翻訳するには、日本でそれを出版してくれるところを見つける必要があります。そのために編集者さんに見せる資料が、この企画書です。
まず知っておいてほしいのは、編集者さんはとても忙しいということ。大量の書類に目を通す時間はありません。あなたが分厚い資料を「見てください」と渡しても、それでは目を通してもらえないでしょう。企画書はA4で1枚から2枚にまとめるようにしてください。
もちろん、必要とされたときに提示できる情報は多いに越したことはありません。「ここをもっと詳しく知りたい」といわれたときに渡せる補足資料は用意しておきたいですが、企画書としてはあくまでも1枚から2枚程度におさえるようにしましょう。
注意してほしいのは、「企画書は単なる情報のまとめではない」ということ。どうして企画書をつくるのかといえば、その原書を「面白そうだ」「役に立ちそうだ」「ぜひ日本で出版したい」と編集者さんに思ってほしいからですよね。だからそう思ってもらえるような、心に響くものにしてほしいのです。
企画書のフォーマットは、各社それぞれ違います。編集者さんが「これをやりたい」と思えば、その後で社内の会議などにかける際は社内用のフォーマットに直してくれることが大半です。まずはそのたたき台となるような、基本的な項目を網羅した企画書をつくりましょう。
企画書に必要な項目は、以下のようになります。
①原書名
②タイトル案
③書籍概要
④対象読者
⑤仕様
⑥著者プロフィール
⑦訳者プロフィール
⑧監修
⑨類書
次回の連載から、具体的な項目を一つひとつ見ていきましょう。