ビジネス動画の字幕翻訳完全ガイド:依頼前の準備から納品までの流れを徹底解説!
1.はじめに(導入)
動画コンテンツがビジネスシーンで広く活用されるようになり、字幕翻訳の重要性が急速に高まっています。企業研修、海外向けプレゼン、マーケティング動画など、さまざまな用途で多言語対応の字幕が求められるようになりました。
しかし、「字幕翻訳を依頼したいけれど、どう進めればいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか?
本記事では、字幕翻訳をスムーズに依頼するためのポイントを詳しく解説します。具体的なケーススタディや成功事例を交えながら、納期や費用の目安、よくあるトラブルと対策まで徹底解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
2. 字幕翻訳の基本知識
字幕翻訳とは?
字幕翻訳とは、映像の音声を視覚的なテキスト情報として表示する翻訳作業です。これにより、言語が異なる視聴者にも内容が伝わりやすくなります。字幕翻訳は通常、以下のプロセスで行われます。
・文字起こし(トランスクリプション):映像内の音声をテキスト化
・スポッティング:字幕のタイミング調整
・翻訳:テキストを他言語へ変換
・クライアント確認1(翻訳レビュー):翻訳内容の最終チェック
・字幕焼き付け・映像編集:映像に字幕を埋め込む作業
・クライアント確認2(動画レビュー):動画全体の品質の最終チェック
3. 字幕翻訳を依頼する際の準備物
スムーズに字幕翻訳を進めるために、依頼前に以下の準備をしておくことをおすすめします。
① 翻訳対象の動画データ
- MP4、MOVなどの動画フォーマットを確認
- 画面内にテロップなどがある場合は、字幕とのバランスを考慮
《ポイント①》
以下のような場合は、単純に元動画に字幕を載せるだけではなく、追加の動画編集作業が必要となりますので作業の対応可否について事前に翻訳会社に確認しましょう。
・映像内に不要で削除したい部分や、逆に追加したい素材がある場合(例:元言語の字幕・テロップ・ロゴ・静止画・QRコードなど)
・映像内のテロップや動きのある文字アニメーションも翻訳と文字の置き換えを希望する場合
・字幕の表示だけでなく、ボイスオーバーによるナレーション音声の挿入も希望する場合
《ポイント②》
上記のような特殊な映像編集を希望する場合は、事前に翻訳会社にサンプル作成を依頼して、出来上がりのイメージを共有してもらいましょう。
② 用途とターゲットの明確化
字幕翻訳は用途によってスタイルが異なります。動画の使用目的をしっかりと翻訳会社に伝えましょう。
- 社内研修 → 正確性重視、専門用語の統一が重要
- プレゼン動画 → 伝わりやすさを重視、シンプルな表現が好ましい
- 広告・プロモーション → キャッチーな表現、視認性を考慮
③ 用語集や参考資料の提供
業界用語や固有名詞の正確な翻訳のため、事前に用語集を提供するのが理想です。
4. 字幕翻訳の流れ
① 文字起こし(トランスクリプション)
動画内の音声をテキスト化する作業ですが、字幕用のフォーマットには適していないため、次のスポッティングが必要になります。
② スポッティング(字幕のタイミング調整)
字幕を適切なタイミングで表示するために「IN点(字幕表示開始点)」「OUT点(字幕表示終了点)」を決める作業。視聴者が自然に字幕を読めるように調整します。
③ 字幕翻訳
字幕は映像とともに読まれるため、シンプルかつ分かりやすい表現が求められます。動画の内容や用途によっては翻訳に文字数制限を設ける必要があります。
④ クライアント確認1(翻訳レビュー)
実際に翻訳を動画に焼き付ける前に、テキストの状態で翻訳内容を確認しましょう。必要な場合は、修正を翻訳会社に依頼してください。
⑤ 字幕焼き付け・映像編集
動画に直接字幕を埋め込む作業。外部字幕ファイル(SRT形式など)の納品も可能です。
※前述の特殊な映像編集が必要な場合も、このタイミングで作業します。
⑥ クライアント確認2(動画レビュー)
字幕の表示タイミングを含め全体的な動画の品質をチェックしましょう。不自然だと感じる箇所があれば、翻訳会社に修正を依頼しましょう。全て問題がなければ動画データの最終納品となります。
【ポイント①:文字起こしとスポッティングの違い】
字幕翻訳を依頼する際、「文字起こしの原稿があるから大丈夫」と思う方がいますが、それは間違いです。
・文字起こし(トランスクリプション)とは?
動画の音声をテキストに変換する作業。ただし、字幕用に適した文章になっていないことが多いです。
・スポッティングとは?
字幕を適切なタイミングで表示する作業。視聴者が自然に字幕を読めるように調整することが求められます。
<注意>文字起こしをそのまま字幕にするとどうなる?
- 文章が長すぎて読めない
- 映像の流れと字幕の表示タイミングが合わない
- 短すぎる字幕が多発し、視認性が悪い
そのため、字幕翻訳ではスポッティングが不可欠です!
【ポイント②:必ずサンプルを作成してもらいましょう】
字幕の仕上がりを事前に確認するため、サンプルを作成してもらいましょう。
- フォントや文字サイズ、色の確認 見やすい字幕かどうかを確認します。
- 字幕と資料のバランス確認 プレゼン動画などでは、字幕が資料と重ならないように調整します。
翻訳会社に具体的なフィードバックを伝えることで、希望に近い字幕が得られます。
5. 納期目安と費用感
納期の目安
- 短編動画(5分以内) → 3~5営業日
- 中編動画(10~20分) → 5~7営業日
- 長編動画(20分以上) → 7~10営業日以上
費用感
- 日本語↔英語字幕翻訳:1分あたり 3,000~5,000円
- スポッティング:1分あたり 500円~
- 字幕焼き付け作業:1動画 12,000円~
6. ケーススタディ(成功事例)
ケース1:外資系医療機器メーカー様
- 内容:取り扱い研修動画
- 言語方向:英語→日本語
- 課題:米国版の動画に映っている一部の機材は日本版では使用しないので、映像から消してほしい
- 解決策・結果:映像編集にて該当の機材を映像から削除した上で、自然な動画に仕上げました
ケース2:外資系ヘルスケア用品メーカー
- 内容:ビジョンケア領域のブランド紹介動画
- 言語方向:英語→日本語
- 課題:字幕のタイミングと合わせてナレーション音声(男性)を入れてほしい
- 解決策・結果:プロのナレーターと共に録音作業を実施の上、ナレーションの速度やタイミングを細かく調整。ご要望通りの動画をご納品しました
ケース3:日系化粧品メーカー
- 内容:日本国内で使っている社内ツールをグローバル展開する際の紹介動画
- 言語方向:日本語→英語
- 課題:
① 動画に載っている日本語HPに誘導するQRコードを、英語版HPに飛ぶQRコードに差し替えてほしい
② 動画画面いっぱいに資料や補足があり、通常通り画面下部に字幕を焼き付けるとオリジナル文言と重なってしまう - 解決策・結果:
① QRコードを差し替えたサンプルを事前に送ってイメージの齟齬がないように確認の上、差し替え版を作成・納品
②【画面下部に入れた場合】/ 【画面サイズ自体を少し小さくして余白を作ってそこに字幕を入れる場合】 / 【画面上部に入れた場合】で3つのサンプル画面を作成し、お客様に選んでいただいた
7. まとめ
✔ 翻訳前に希望の翻訳スタイルや、その他に希望する映像編集について翻訳会社に伝える
✔ スポッティングを適切に行い、字幕の視認性を高める
✔ クライアント側でも最終チェックを行う
✔ 納期と費用感を把握し、スケジュールを調整する
いかがでしたでしょうか?
株式会社テンナイン・コミュニケーションは、ビジネス向け字幕翻訳に豊富な実績があり、最適な翻訳を提供いたします。字幕翻訳でお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください!