第31回 ディスクレーマー②
こんにちは。8月のディスクレーマー①に続き、9月には②をお届けするはずが、お休みとなってしまい、失礼いたしました。前回説明した通り、金融翻訳でディスクレーマーの部分の依頼が来ることはほとんどありませんが、プレゼンの冒頭などにさらっと一文入っていたりしますので、一応、訳せるようになっておくといいと思います。
【課題】
- This presentation has been prepared, using information from sources believed to be reliable and accurate.
- No representation or warranty (express or implied) is given as to its accuracy, adequacy, reliability or completeness.
- Past performance is not a reliable indicator of future performance.
上記はどれも非常によく見かける表現で、中でも最後のPast performanceで始まる文章は特に頻出です。他に
Past performance is not a guide to future results.
Past performance is not indicative of future results.
などの表現があります。necessarilyが挟まれたり、resultsの代わりにreturnsになることもあります。いずれも、昔の成績が良かったからといって、これからも良いとは限りませんよ、という免責のフレーズです。
二文目の「○○性」については保証しません、という文章もよく見ます。上記のaccuracy、adequacy、reliability、completenessのほかに、timeliness(適時性)、originality(原本性)、merchantability(商品性)、non-infringement(非侵害性/非違反性)、fitness for a particular purpose(特定目的への適合性)などがあります。
express or impliedは、今回は名詞にかかっているので過去分詞ですが、expressly or impliedlyと副詞形でも使われます。契約書ではよく出てくるのではないかと思います。
前回も言いました通り、このディスクレーマーの部分は、法律文や契約文の一種と考えて、正確性を第一に訳出すれば大丈夫です。ネット上で英語と日本語の対訳が見つかることも多いので、参考にしてみてください。
【試訳】
- 本プレゼンテーションは、正確で信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成したものです。
- (明示的か黙示的かを問わず)その正確性、妥当性、信頼性、完全性について、いかなる表明または保証を行うものではありません。
- 過去のパフォーマンスは将来のパフォーマンスを示唆する信頼できる指標ではありません。