クライアントインタビュー Vol.4 サイネオス・ヘルス・コマーシャル株式会社様
(写真左から)テンナイン・コミュニケーション 尼崎、サイネオス・ヘルス・コマーシャル 羽川様、サイネオス・ヘルス・コマーシャル 中村様
アメリカやヨーロッパ、アジアに拠点を構え、臨床開発やメディカルアフェアーズ、人材派遣や市場調査など幅広い事業を展開しているグローバル企業「サイネオス・ヘルス」。今回お話をうかがうのはサイネオス・ヘルスの日本法人で、上市後の事業戦略や組織戦略の支援に特化したサービスを提供するサイネオス・ヘルス・コマーシャル株式会社様です。テンナイン・コミュニケーションは、グローバルで開発された研修プログラムの英日翻訳を担当しました。弊社を選んでいただいた経緯や理由、翻訳サービスの感想などについてサイネオス・ヘルス・コマーシャルの中村様と羽川様に、翻訳部の尼崎がお話を聞いていきます。
プロジェクト概要
【業種】 医薬/ヘルスケア
【内容】 研修プログラムの英日翻訳
【目的】 海外で開発されたツールの国内展開
【数量】 約26,000ワード
【期間】 約2ヶ月
今回の話し手
サイネオス・ヘルス・コマーシャル株式会社様
ラーニングソリューションズ部門
中村 様
羽川 様
探していたのは、大規模な翻訳プロジェクトに伴走してくれる会社
—— まずは、弊社にご相談くださった経緯をおうかがいできますでしょうか?
中村:弊社はグローバル全体の知見を活かしたコンサルティングや専門人材の教育・研修・派遣など、新薬の市場販売が開始された後に必要なあらゆる活動の支援をおこなっています。その中でも、クライアントの事業戦略や組織成長といった部分に焦点を当ててソリューションを提供しているのが僕たちが所属するラーニングソリューションズ部門です。
今回、テンナイン・コミュニケーションさんにご相談したきっかけは、大規模な翻訳プロジェクトが発生したからです。弊社と同じように海外に拠点があるクライアントから、グローバル本社で開発された研修プログラムを、日本を含めた世界各国に展開していきたいというご要望がありました。これまで案件によっては社内で翻訳することもあったのですが、この案件はそう簡単にはできないなと思って。
—— 英語を話せる従業員の方が翻訳していたけれど限界を感じて、弊社にご依頼してくださるケースはよくありますね。翻訳者と同じクオリティを出そうと思うと、積み重ねてきた時間も経験値も足りないことがほとんど。仕事の傍らでというのは、なかなか厳しい部分はあるかもしれないですね。
中村:そうなんです。翻訳が本業ではない人が対応しても一応かたちにはなりますが、とにかく時間がかかってしまう。さらに今回の場合は、日本の商習慣もきちんと理解した翻訳はもちろん、言葉の整合性を取るための知見やスキルが必要になると思い、翻訳会社にお願いすることにしました。
「言葉のしっくり感」と「チームとしての安心感」が決め手に
—— 複数の翻訳会社から選ぶ際は、どのような点を大切にしていましたか?
羽川:中村から翻訳会社選びを任されたので、「まずは相見積もりを」と思い、Webで翻訳会社を探しました。そのときに気にしていたのは、翻訳事業だけでなく、通訳事業や人材派遣、動画編集など、複数事業を手がけているかどうか。動画制作や通訳などの知見がある会社の方が翻訳のクオリティが高いと耳にしたことがあったからです。最終的には、計7社にお声かけしました。その中でも御社は比較的リーズナブルな価格帯でご提案してくれたことを覚えています。
中村:料金も大切な判断基準でしたけど、最優先事項ではありませんでした。もちろん安ければ安いほど有難いというのが本音ですが、料金だけを追求するなら機械翻訳だけで対応している会社にお願いすればいいだけの話。それよりも僕たちが求めていたのは、見る人・読む人がストレスなく理解できる「言葉のしっくり感」と、一緒にプロジェクトを進める「チームとしての安心感」でした。
—— 訳文について、他の会社と比べたときのクオリティはいかがでしたでしょうか?
羽川:各社に無料トライアルをお願いしましたが、正直に話すと日本語が著しくおかしいということはありませんでした。選ぶために順番はつけましたが、そこまで大きな差はなかったように思います。
中村:ただ言葉に問題がなければ、次に考えなければいけないのは、安心して任せられるかどうか。これに関しては、御社とのやりとりがスムーズだったことを羽川から早い段階で聞いていたこともあって、すぐに決断できました。リーズナブルで、言葉もしっくりきているなら、御社にお任せして間違いないだろうと思って正式にお願いすることにしました。
—— 特に印象に残っている対応などはありましたか?
中村:大規模な翻訳プロジェクトは僕たちにとっては初めての経験だったので、きちんとプロセスを踏んで翻訳会社を選んだとはいえ、このプロジェクトを無事に完遂できるかどうかはずっと気がかりなポイントでした。特に御社と窓口を任せていた羽川には相当なプレッシャーがあったはずです。ただ御社は彼女が不安に感じているところを察知して、先回りして手を打ってくれているような感じがしました。
羽川:まずレスポンスが良かったです。ファイル受領の返信でさえもすごく早い。あと、無料トライアルでは2パターンの訳文を用意して、こちらの好みやより適切な表現を確認しようとしてくれる姿勢が良かったですね。
中村:そうそう。最初のすり合わせをしっかりしてくれたんですよね。弊社も無形サービスを提供する会社なので、最初の段階で前提条件やゴールをしっかり握っておく必要があることは痛感しています。それが曖昧だとあらぬ期待をされてしまって、最後に「なんか期待外れだった」と思われかねない。最初の時点の合意形成はすごく大事なんですよね。だからこそ、御社の進め方には共感も出来ましたし、誠実で丁寧な印象を受けました。
—— ありがとうございます。もちろん誤訳や訳抜けは駄目ですが、100%正しい表現というは基本的にはありませんよね。だからといって、確認する人によって訳文の評価軸を定めないままだと、修正対応などに時間が取られてしまってスケジュールが遅延することに。結果的にお客様の負担が増えてしまいますので、全員が迷わずに作業を進められるように、正しい表現の方向性を決めるようにしています。
プロジェクト成功の鍵は、誠実で丁寧なコミュニケーション
—— 今回の翻訳対応について率直な感想もおうかがいできますでしょうか。
羽川:原文の資料が揃うまでに時間がかかってしまったり、予定していたものを途中で取り下げてしまうこともあったりしたのですが、いつも臨機応変に動いてくれたのは心強かったです。また、できないことって言いづらい部分もあると思うのですが、明確に伝えてくださるところに誠実さも感じました。こちらが翻訳の素人だからと言って、都合のいい方向に誘導されているような不安はまったくなくて。きっと私たちにとってベストな提案をしてくださってるんだろうなと思っていました。
中村:結局、今回の依頼した経緯と同じになりますが、完璧な翻訳を納品いただくというのは、あくまでもプロジェクト成功に必要な一つの要因。それだけでは、大成功とは言えません。同じプロジェクトチームの一員として協力し合い、円滑に業務を推進していくことができて初めて、ラーニングソリューションズ部門のサービスをクライアントに提供できたと言えると思っていました。
羽川:その点で言うと、納品のタイミングもばっちりでしたよね。訳文を受け取った後に私の方でやりたいことがあったのですが、定時内に処理できるぐらいの時間帯に納品していただけて、とても助かりました。
—— できる限り100%のクオリティに近づけてから納品するように心がけていますが、やっぱり最後の確認・調整はお客様ご自身にしていただく必要があると考えていて。99.99%までは高めていくので、100%にするために必要な残りの0.01はお客様にもご協力をお願いできれば嬉しいですね。
—— では最後に、テンナイン・コミュニケーションへのご要望などはありますか?
中村:冒頭でもお伝えしたのですが、弊社は研修のご提供もする会社です。アメリカ本社にはあらゆるナレッジやノウハウが蓄積されているので、それらをeラーニング教材としてどんどん国内に展開していきたいと考えています。まだ具体的な話はあがっていませんが……もし実現するとなったら、日本国内の商文化に合わせたローカライズに加えて、医学用語にも対応するとなると自分たちでは大変なので、ぜひお手伝いいただけたら嬉しいです。
―― ぜひお役に立てればと存じます。他にも何かあればいつでもお知らせください。それでは、本日は貴重なお時間ありがとうございました。