究極の単語鍛錬
1月から始まった通訳講座が今月で終わります。この時期から来期講座の教材作成に入ります。5月から外部機関での講座も始まり、中には市販の教材ではなくオリジナル教材を作成しないといけない講座もあり、通訳よりも教える講座の準備に時間が取られています。
教材を作成にはさまざまなプロセスがあります。
教材コンセプト決め、市販教材チェック、素材探し、ネィティブチェック、録音、スクリプトおこし、校正等さまざまなプロセスがあります。講座の良し悪しはもちろん講師のスキルも重要な要素ですが、それと同じくらい教材の質やスタッフのスキルも成功を決める重要な要因です。
これから夏にかけて単語力強化のための教材を作成します。単語力を増やすというのは語学を学ぶものにとってある意味、永遠の課題です。どうすれば効率的かつ効果的に単語力をつけることができるのかを検討していきます。単語は単に意味だけを覚えればいいというものではなく、実際に運用力を付けていくためには、用法も押さえていかなければなりません。特に動詞はそうです。ほとんどの単語集が単語の意味を列挙し、例文を載せて終わりというものが多くなかなかそれでは本当の運用力は身につきません。特に単語のコロケーション(単語と単語の組み合わせ)の力をつけ、単語を使いこなしていくためには単純な意味の暗記だけでは対応できません。
最近、ネットでかなり売れていると言われている単語集といくつか取り寄せてみました。ほとんどの単語集は、若干アプローチは違うものの、単語リストという感じでやはり運用力を伸ばすという観点で弱いと感じましたが、一つだけユニークな単語集がありました。それが“英単語ピーナツほどおいしいものはない(清水かつぞー著:南雲堂出版)”という単語集でした。金メダルコース、銀メダルコース、銅メダルコースというように銅→銀→金というように難易度も上がっていきます。対象は大学受験生ですが、一般の人でも役に立つと思います。ここでは単語の説明というのはほとんどなく、単語の組み合わせで表現を覚え、運用力をつけるというコンセプトになっています。例えば「stale (形)新鮮でない、気の抜けた」という単語ではなく、「古くなったパン」=「stale bread」という形で語句そのものを覚えて語感を身に付けるというやり方です。
日英の練習でも・・・・法律を施行する・・・というような表現があると、多くの方が法律=law, 施行ってなんだっけ??えっと・・・という風に分けて考えて時間がかかるか、途中で諦めてしまうか、かなり適当に単語を並べてみる人が本当に多くいます。単語を分けて考えて、コロケーションを考えずに日本語の単語に英語をはめ込んで日英にしてしまう人は、こういった単語の強化方法を取り入れてみてはどうでしょうか?「煙草の吸い殻を散らかす」「欠伸をかみ殺す」「歯を食いしばる」等単語だけを単体で覚えていても訳せないような表現もたくさん入っていますので、ご興味のある方は一度書店でこの本を確認してみてください。
冒頭にも書きましたが、これから教材の作成が始まります。もし教材作成にご興味のある方、サイトラやTOEICを始め、教えることに興味のある方がいらっしゃれば是非ご連絡ください。いろいろな経験やスキルをお持ちの方と協力しながら、よりよい教材や講座を提供できたらと思っております。よろしくお願いします!
(2009年4月7日)
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