INTERPRETATION

Oh 脳!!

上谷覚志

やりなおし!英語道場

こんにちは。

先週土曜からAccent on Communicationの授業が始まりました。ほとんどの方が継続され、新しく来られた方もいるので、今期も頑張っていかなければと思っています。

学校を運営するという中には、教材やカリキュラム作成という大切な仕事があります。もちろん一人では出来ませんので、いろいろな方に協力して頂きます。単純そうに見える教材でも多くの人が関わっています。その一環として、新しい学習方法をネットや書籍でリサーチします。通訳訓練方法をベースにしていますが、他にも自分の知らない方法で有効なものがあれば取り入れようと思っています。

そのリサーチから見えてきた今の旬なワードはズバリ『脳』!! 『脳』という言葉をつけるだけで、本は売れるし、視聴率は上がるようです。面白い現象で、テレビ番組はもとより美容もダイエットもなんでも最近『脳』づいてますよね。確かに『脳』と言われると行くとこまで行った感があり、究極感がありますよね。

英語学習に関してもそうで、“脳科学により解明!”などと言われると何かすごい内容なのかなとリサーチがてら斜め読みしてみました。

基本的なスタンスは既存の学校教育のやり方を批判し、文法書や英和辞書を捨てて赤ちゃんが英語を勉強するやり方でやればバイリンガルになれる!というわかりやすい理屈です。科学的根拠がありそうなタイトルのわりには、内容は、“最初はわからなくても海外ドラマをひたすらみよう!”“日本語で考える時間よりも英語で考える時間を多く取ろう!”というアプローチで、「脳科学とは一体・・・??」という感じでした。確かにいろいろな学者や理論の名前は出ていますが、それが勉強方法に反映されている感じは受けませんでした。

自分は、子供のころに海外で英語を自然に学んだ帰国子女ではないので、長年、自分の英語に対してコンプレックスを感じていました。

通訳の場で、ネイティブでない外国人の通訳をすることが最近多いのですが、英語のレベルは本当にまちまちで、決してお世辞にも発音がうまいとは言えない人もたくさんいます。そういう人たちが堂々と英語で議論し、ビジネスを進めている姿を見ると、発音よりも大事なものがあるよな・・・と考えされられることが多いです。

英語学習を脳科学レベルまで持っていってしまう国が世界にどれくらいあるのかわかりませんが、そこまでしないと英語は本当に身につけられないものなのでしょうか。目指すところが“ネイティブのように“という暗黙の目標があるために、こういう“行くとこまで行ってしまった”感が漂っていますが、一般の人だったら昨日言えなかったことが言えるようになったといった小さな喜びを積み重ねていく中で、勉強することが本来の語学の勉強なのではと思います。

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記事を書いた人

上谷覚志

大阪大学卒業後、オーストラリアのクイーンズランド大学通訳翻訳修士号とオーストラリア会議通訳者資格を同時に取得し帰国。その後IT、金融、TVショッピングの社での社内通訳を経て、現在フリーランス通訳としてIT,金融、法律を中心としたビジネス通訳として商談、セミナー等幅広い分野で活躍中。一方、予備校、通訳学校、大学でビジネス英語や通訳を20年以上教えてきのキャリアを持つ。2006 年にAccent on Communicationを設立し、通訳訓練法を使ったビジネス英語講座、TOEIC講座、通訳者養成講座を提供している。

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