INTERPRETATION

less is more

HAJI

英語のツボ

突然ですが、私はJazzが大好きです。

レストランでジャズがかかっていると、なんの曲で誰が弾いたものか、常に考えてしまいます。

それが大学の勉強の方向性をも決定付けてしまい、社会学系のゼミでは、ジャズと深い関係のある人種・民族(race and ethnicity)について勉強していました。

また、幸運なことに大学時代には様々な機会に恵まれ、ジャズミュージシャンの方々と交流を持つことができました。

ジャズを始めたばかりのころは、よく周囲の人から言われていたことがあります。それを一言でまとめると、Less is more

直訳すると「少ないをもっと多く」。つまり「弾きすぎるな」というメッセージです。

私のような素人は、音と音の間に余白を作ることが非常に不安で、何かと弾きすぎてしまう傾向があります。

一方、玄人は自分に自信があって、客観的に見ることができているから、余裕を持って音と音の間を大切にし、「弾かない(吹かない)ことによって、奏でる」という芸当ができるようです。

ジャズの巨匠のひとり、セロニアス・モンク(Thelonious Monk)というピアニストがいます。彼は、このLess is moreをまさしく体現したようなプレイヤーです。

是非一度聴いてみてください。

そしてこのless is moreの重要性はジャズだけでなく、通訳についても同じことがいえるのではないかと、気が付いてきました。

通訳の練習をするときは、なるべく自分の声を録音するようにしています。録音したものを後から聞き直して自分で客観的に聞いてみる、ということを繰り返して、上手くなっていくもの(だと信じています)ですが、その過程で「自分は無駄が多い。もっと省ける箇所が多々あるはず。」としばしば感じます。

もちろん、この無駄を省いていく作業は非常に時間がかかるし、自分に染み付いてしまった癖でもあるので、一朝一夕で直せるものではありません。

しかし、通訳を聞いている方々にとっては、音声的な情報がメインとして入ってくるので、その音声に無駄がたくさんあると、リズムが崩れ、聞いていて非常に不快なものになってしまいます。

いかにリズムを一定にして、無駄のないless is moreを体現できるか。

少しでも理想に近づけるように、日々精進していきます。

*本記事はあくまでも個人の意見であり、科学的な根拠をもとに事実を示しているわけではありません

Written by

記事を書いた人

HAJI

国際教養大学卒業後、COWプロジェクトメンバーとして入社。大学時代を社会学を専攻し、アメリカに留学。ジャズが大好きで、アメリカのジャズ拠点をフィールドワークしたことも。
現在は目標とする先輩の通訳者のようになれることを目指して日々奮闘中。

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