進行形は未来形
中学校で学んだ「be going to~」と「will」という2種類の未来形。そもそもなぜ2種類も未来形を表す表現があるのかということに疑問を抱きます。
そこで考えてみると、意外とこの2つは根本的に全く違った様相を呈しているのではないかということに気が付きました。
本題に入る前に、少し進行形について考えてみます。
進行形とは、I’m eating an apple.(私はりんごを食べている)というような文章のことです。中学校でたくさん練習問題をやりますから、ほとんどの方がご存知かとは思いますが、「(たった今現在)~している」ということを表す文法でした。
しかし、高校に進むと「実は進行形は近い未来を表すこともできるんだよ」と突然意味の分からないことを習います。
例えば、We are arriving at Tokyo Narita Airport midnight.(夜中に成田空港に到着する予定です)というような具合でしょうか。
「今現在のこと」に対して使われる進行形と、「近い未来のこと」に関しても使われる進行形。きみはどっちが本当の姿なんだとつっこみたくなります。
しかし実は進行形は、「今現在か未来か」のどちらかのみを示している、というわけではなく、「今現在も未来も」両方示しているのが本当の姿です。
例えば、I’m doing my homework.(今宿題をしています)というときは、「たった今宿題をしている」という“今現在”の瞬間について考えがちですが、同時に、今宿題をしているということは「やがて終わる」という“終着点”についても示唆をしていることになります。ここでいう“終着点”というのは未来のことです。それも宿題が終わるのはどのくらい先になるか分からないくらいの遠い未来ではなく、「1時間後には宿題がおわる」という程度の“近い未来”です。
同じような形でWe are arriving at Tokyo Narita Airport midnightという文章についても考察してみます。
これが意味する本当のところは「夜中に成田に着くという”終着点”に向かって、今はその途中段階にいる」ということです。だから進行形で書かれていても、結局は未来の“終着点”を示していますから、訳としては未来形チックなものになります。
このように、進行形というのは「どこか明確な終着点に向かって、今現在進んでいる」ということを表すのが本当の姿だとすると、be going to~についてもその本性が見えます。とどのつまり、「be going to~」はただの進行形にすぎません。
更にもう一つの謎が解けます。それはbe going to~とwillの違いです。
高校になると「be going to~とwillのニュアンスは違って、be going toは”既に予定が確定した未来”に対して使うのに対して、willは”まだ決まっていない将来の事柄”について使うんだよ」と習います。
これもbe going toの本質を見れば当たり前のことです。
be going toは「明確な終着点に向かっているその途中段階」というのが本質ですから、明確な終着点があるということは、ある程度予定された未来の事柄でないといけません。
一方、willというのは名詞で「意志」という意味があり、文字通り「これから絶対に~する」という強い意志を表明するのがwillです。そこには特別「未来を表す」というニュアンスは本来存在しないと考えます。
willとbe going toというのは「未来形」の名の下に一括りにされていますが、根本を考えてみると、両者はかなり異なった様相を呈していることが感じ取れるのではないでしょうか。
*本記事はあくまでも個人の意見であり、科学的な根拠をもとに事実を示しているわけではありません。
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