公正さが会社をつくる
大学時代、アメリカへ留学をしていた時に、専攻していた社会学の授業の一コマで「資源を平等に配分していくにはどうすべきか」というテーマが扱われました。
私自身、こういった大きなテーマは大好きで、楽しみながら授業を受けていた記憶がありますが、周りの生徒(ネイティブだけでなく、様々な他の国からの留学生も含め)の英語表現で、ふと気になったことがありました。
「平等」という言葉を表す際に、英語ではfairness, equality, equity, parity…など色々ありますが、それぞれどう違うのだろうと思ったんです。
(日本語でも、「平等」「公正」「公平」など色々ありますよね。)
特にequalityとequityは単語の形が非常に似通っており、細かいことではありましたが個人的に何が違うのだろうか気になっていました。
色々と調べていると、面白い画像を見つけました(有名な画像なのでご存知の方もいらっしゃるかと思いますが)。
とてもわかりやすい解説画像で、一見しただけでequalityとequityの違いが明らかにわかります。
日本語でも言葉の細かい定義を考えることなく、何となしに使っている「平等」関連の言葉。実は平等は平等でも、色々な形の平等さがあるのですね。
equalityというのは、「個人的な差は鑑みずに、みんなに平等のリソースを分け与えていればそれでいいだろう」という考え方。一方、equityというのは「個人差をきちんと考慮して、それぞれに見合ったリソースの配分をする」という考え方です。
近年ですと、アファーマティブ・アクション(affirmative action)がequityの例でしょうか。様々な場面でアファーマティブ・アクションはという概念は使われていますが、例えば大学入試において、歴史的に不利な状況にあったcolored people(有色人種)の人々に、特別な措置を与えるというものです。
白人と比べたときに、歴史的・社会構造的に不利な状況におかれているのだから、その「個人差分」を考慮して、大学入試におけるポイントというリソースをうまく配分しようとする試みです。
これに対しては、逆差別(reverse discrimination)であるという反論も巻き起こっています。
equalityとequity、どのようなバランスでおこなって行くべきかというのは、非常に難しい問題です。
ところで、それぞれどのように翻訳しうるでしょうか。一般的には「平等」と「公正」という言葉が用いられるようですが、個人的に「機会の平等」と「結果の平等」という言葉も概念的には当てはまるのではないかと考えます。
もう少し英単語のお話をすると、equityという言葉は「株式」という意味もあります。日本語でも「エクイティ」といったり、財務分析をする際に用いられるROEはReturn on Equityです。
equityという概念を「個人差を考慮してリソースの配分も変える」というように定義するのならば、一株の重さは全て平等で、個人個人の経済状況や社会状況など鑑みない「株式」というのはどこか矛盾するような気もします。
どこかこじつけがましい(far-fetched)な論理でしょうか。
*本記事はあくまでも個人の意見であり、科学的な根拠をもとに事実を示しているわけではありません。
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