数えるってなに②
前回は、可算名詞・不可算名詞が「数えるという行為はどういう意味を持つのか」という深く哲学的な問いにつながる、ということを簡単にご紹介しました。
これに関して、もう一つ面白い英単語の例をご紹介しましょう。
fish(魚)という単語は誰でもご存知かと思います。そしてこれは基本的に不可算名詞と言われています。
中学校では「fishは数えられない名詞だから覚えておくんだよ」と先生から言われたのを覚えています。
しかし、当時中学生だった私は「いや魚は1匹、2匹って数えるじゃないか…」と不思議に思っていました。
実はこれにはカラクリがあって、fishは「等しく区別しうる条件」の下に並べ替えられると、可算名詞に変身します。
想像してみてください。いま目の前に多種多様な魚が山のように盛られています。そこから魚を手でランダムに取り出して「一匹、二匹、三匹…」と数えていくと、一匹目はマグロ、二匹目はハマチ、3匹目はサケをつかむかもしれません。つまり魚の種類が異なってしまうので「等しく区別しうる条件」の下で数え上げることができません。こういった事情から一般的にfishは不可算名詞とされています。
しかし、「等しく区別しうる条件」の下に並べ替える方法が一つあります。それは「魚の種類ごとに集めて、その種類自体を1種類、2種類と数える」という方法です。
例えばマグロはAの網の中に、ハマチはBの網の中に、そしてサケはCの網の中に集めると、初めてthree fishesというように。可算名詞として数えることが可能になります。
こう考えてみると、一見ややこしそうな可算名詞・不可算名詞という概念も、合理的な言語システムの上に成り立っていることが垣間見えるのではないでしょうか。
逆に、日本語の方が曖昧に名詞を区別してしまっているのかもしれません。
*本記事はあくまでも個人の意見であり、科学的な根拠をもとに事実を示しているわけではありません。
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