INTERPRETATION

パソコン買い換え

柴原早苗

通訳者のたまごたちへ

 長いこと使っていたノートパソコン。ここしばらくの間、ずいぶんスピードが遅くなったなと思ってはいたのですが、新しい機種を探すのも何かと億劫で、しかも大の機械音痴ゆえ、延ばし延ばしになっていました。ところが最近、NHK講座「ニュースで英会話」のウェブ執筆を担当するようになり、このままの仕事環境ではいけないと真剣に購入を検討するようになったのです。

 「ニュースで英会話」はテレビ・ラジオ・ワンセグ・ウェブと多方面で学習ができる画期的な講座です。私はこのたびウェブ上の原稿解説のお仕事をいただくようになったのですが、原稿受領から解説・納品までのサイクルが時間的にタイトな業務です。ニュースという旬の素材を扱っているからこそとも言えるでしょう。

 このたび「よし!PC買い換えだ!」と思い至ったのは先週のことでした。まずパソコン本体の電源を入れて立ち上がるまで5分、メールソフトを起動してNHKの担当者からのメールを開くまでさらに5分かかりました。そして添付ファイルを開けるまでまたまた時間がかかり、ワード文書を印刷し終えるまで延々と時間が過ぎていったのです。パソコンのスイッチをオンにしてからプリントアウトに至るまでの所要時間、なんと45分でした。

 これではもはや仕事になりません。第一、あまりにも動作環境が不安定なパソコンを使い続けていよいよ本体が壊れてしまえば、バックアップすらおぼつかない状況です。夫も私もあまり機械製品に詳しくないのですが、とにかく早く購入しようと量販店へ出かけました。

 とりあえず使いやすそうなデスクトップを購入し、メールやネット接続のためにスタッフの出張サービスもお願いして、このたび無事使えるようになりました。この原稿も新しいパソコンで執筆しているのですが、先代とは比べ物にならないくらいの超速です。たとえるならF1カーと徒歩の違いとさえ言えるでしょう。

 出張サービスのスタッフに尋ねたところ、パソコンはだいだい5年ぐらいで動作環境が遅くなってしまうとのこと。それが買い換えの目安なのだとも述べていました。

 「まだまだ使えるから」とだましだまし使っていても、あまりにも仕事に支障が出るようであれば効率面でも生産性の面でもガタ落ちです。今回つくづく思ったこと。それはことパソコンに関しては早め早めの行動が一番ということでした。

 

(2010年10月18日)

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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