INTERPRETATION

なるべく近くにそろえておく

柴原早苗

通訳者のたまごたちへ

 効率よく作業を進める上で大切なのは、「関連するアイテムをなるべく近くにそろえておく」ということです。たとえば台所用品の場合、ケーキ作りに必要な粉やケーキ型、ふるいやめん棒などは一か所にまとめて保管した方が、いざ作るときに作業しやすくなります。そこで今回は私が関連アイテムをどのようにそろえているか、ご紹介しましょう。

 1.すり鉢+すりこぎ+ゴマ

 普通ならばすり鉢とすりこぎは台所の棚に、ゴマは食品専用の引き出しにと分けて入れるところですが、私はあえてすり鉢の中にすりこぎと白ゴマ黒ゴマを一緒に入れています。いざ、すりごまを作りたいとなったらば、棚から一式を取り出せばすぐに作れるので良いのです。

 2.レモン+レモン絞り器

 こちらも今まではレモンが冷蔵庫の中、絞り器は引き出しの中と別々に収納していました。でも冷蔵庫の野菜室の中に一緒に入れるようにしたところ、レモン果汁を作るのが面倒ではなくなりました。

 3.緑茶+急須

 頂き物の新茶。いつか時間があるときに茶葉を急須に入れて飲もうと思いつつ、ついあとの洗い物が面倒で飲まずじまいになっていました。インスタントコーヒーやティーバッグの方が洗い物も少なくて楽だからです。そこで思い切って新茶をすべてお茶パックに入れ替えてみました。「茶葉が急須内で踊れるようにした方が、おいしいお茶が出るのだろうな」とは思うのですが、飲まずじまいで古くしてしまうよりは、新しいうちにせっせと飲んだ方がおいしさを味わえます。お茶パックに詰め替えただけで、わが家はお茶を飲む機会がグンと増えました。

 4.お箸+スプーンは分けずに収納

 以前は台所の引き出し内に仕切りを作り、お箸はここ、スプーンは隣、ナイフはこちらとアイテムごとに分けていました。でもよく考えてみると、食事時に使うものは毎回ほぼ同じ。わが家は4人家族ですが、毎食必ず使うお箸、スプーン(大)と小さじを人数分まとめて一つの仕切り内に入れるようにしてみました。食事の際は各仕切りからそれぞれを出すのではなく、一気に出せますので、大いに楽になりました。

 5.家の鍵+日よけ手袋

 かつては日よけ手袋をクローゼットの中に入れていたのですが、つい取り出すのを忘れてしまい、玄関で思い出して慌てて部屋に戻るということがありました。そこで家の鍵と手袋を一緒に置くようにしたところ、忘れ防止になっています。

 6.日記+ボールペン

 日記を書き始めたものの、なかなか続かないという方にお勧めなのが、専用のボールペンをノートの中に常に挟んでおくということ。私は5年連用の育児日記をつけているのですが、ボールペンをしおり代わりにして挟んでいます。これならノートを開くとすぐに書き始められるので便利です。

 7.子ども用アウトドアグッズは車の中に保管

 サッカーボールやバドミントンセット、ビニールシートや野球バットなど、アウトドアで使う道具はすべて車の中に収納しています。家の中にしまう場所がない、というのがホンネでもあるのですが、車のトランクにすべて保管してあるので、ドライブ先でも即アウトドアピクニックができます。

 8.ゴミ箱+ゴミ袋(大)+「ゴミの出し方マニュアル」

 最近はどこの自治体もゴミの分別が細かくなっています。どれが燃えるごみで何が資源ごみなのか、モノによっては分かりづらいですよね。そこで私は書斎のゴミ箱の底にゴミ袋(大)を入れておき、同じゴミ箱の中に自治体が配布した「ゴミの出し方マニュアル」を入れています。

 9.新聞ストッカー+ヒモ+ハサミ

 古新聞を保管する新聞ストッカー。わが家は書斎のクローゼットの中に入れているのですが、その脇にビニールひもとハサミも置いています。新聞がたまったら、このハサミとヒモで縛るだけ。いちいちハサミを探しに行かずに済むので効率的です。

 10.食材+レシピ

 たとえば乾物や缶詰など、賞味期限が長いからと収納したことをつい忘れてしまいますよね。そこでわが家では、乾物や缶詰を使ったレシピをダウンロード・印刷し、輪ゴムでくくりつけています。これで「乾物をどうやって調理しようか?」迷うことが少なくなりました。私はレシピに迷った際、その食材を製造しているメーカーのサイトをよく参考にしています。クックパッドなどのサイトももちろん便利ですが、「その特定の食材を中心に使ったレシピ」を探すのであれば、メーカーのサイトも大いに役立ちます。

 いかがでしたか?ポイントは「使うもの同士をなるべく近くに置くこと」です。「食材だから冷蔵庫」「キッチングッズだから棚の中」と限定するのではなく、柔軟に考えてみると、より使いやすくなるはずです。

 

(2010年7月12日)

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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