INTERPRETATION

腕時計の有効活用

柴原早苗

通訳者のたまごたちへ

 腕時計を持っていらっしゃいますか?おそらく社会人であれ学生であれ、お気に入りの腕時計を身につけていることと思います。

 私が初めて腕時計をするようになったのは中学生の時。入学祝いに祖母から頂いたものでした。セイコーのクオーツ時計で、当時はねじまきが主流の中、まかなくても動く時計は実に画期的だったのです。日付も表示されて文字盤も見やすく、ずいぶん長いこと愛用していました。

 その後、社会人になって手に入れたのがオメガの腕時計。自分のお給料で、それこそ清水の舞台から飛び降りるような感覚で購入したものでした。そこで今回は「腕時計の有効活用」と題して3つのポイントをお話しましょう。

(1)秒針のついた腕時計を

 通訳現場や授業の際、私は腕時計をはずして机の上に置きます。これを見ながら時間を確認しているのですが、あるとき電池が止まったことに気付かなかったのです。それは腕時計本体に秒針がついていなかったからでした。

 秒針がついている時計であれば、電池切れの際にはすぐにわかります。しかし秒針がないと、それに気づきにくくなってしまうのです。「さっき8時だったのに、また見たら8時。ということは電池が止まっていた!」と焦るようなことのないよう、私は腕時計購入するときは必ず秒針付きのものを買うようにしています。

(2)腕時計を反対の腕にしてみる

 たとえば外出先で「あ、ノート買わなきゃ!」などと急に思いついたとします。本来であれば手帳などを取り出してメモしておくことがベストなのですが、歩いている途中だったり、満員電車の中だったりとメモが書けない状況もあるでしょう。そのようなとき私は腕時計を反対の腕につけかえています。普段私は左腕にしていますので、右につけ直すというわけです。こうしておくと「普段と異なる場所にしている腕時計」ということで違和感があり、それが「自分へのリマインド」となります。いわば備忘録がわり、というわけですね。

(3)バンド型のゴールドとシルバーカラーで

 上記(2)の理由から、すばやくつけかえるために私はバンド型の腕時計を愛用しています。これまで何度かベルト型のカラフルなファッション時計を身につけたこともあったのですが、仕事の際にはやはり使いやすさが一番です。なお、バンドや本体カラーもゴールドとシルバー両方が組み込まれたタイプにしています。これは身につけるアクセサリーやベルトなどがどちらの色でも共存できるようにするためです。

 いかがでしたか?たかが腕時計。でも自分なりのポリシーで持ち物の購入基準を決めると、買い替えの際、とても楽になると私は思っています。

 (2010年3月1日)

Written by

記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

END