INTERPRETATION

ルーティン家事のこなしかた

柴原早苗

通訳者のたまごたちへ

 秋は何かと忙しい季節。夏の間は閑散期だったのが国際会議シーズンとなり、通訳者にとってはあわただしい時期が到来します。私は最近、放送通訳業をメインにしていますが、やはり秋になると番組改編があったり、冬時間になったりと、今までのルーティンから少し異なる状況が続出します。さらに通訳学校の授業も始まるため、その準備に取り組むことにもなります。

 私の場合、フリーランスで働いているため、幸いなことに家で一日仕事にあたることもできます。そのような日は自分のペースで時間配分できますし、合間に家事もこなせるので大いに助かります。しかし自宅業務の場合、自分でしっかりと時間管理をしないとあっという間にズルズルと時間ばかりが過ぎてしまいますので、外で働く以上に注意を必要とするのも事実です。

 ここ1年ほど私はYahoo!のカレンダー機能を愛用しています。これはYahoo!メールについており、自分で日程を書き入れることができます。もしかしたら手帳の代わりにこの機能を利用している方もいることでしょう。

 私はこのカレンダー機能を主に家事関連・ルーティン作業用に使っています。たとえば家事の場合、「毎週やること」「半年に一回やること」「一日おきにやること」など、一つ一つの作業をよく見てみると、かなり繰り返しが多いことがわかります。我が家の例でいうと、「ホームベーカリーでパンを焼く」は一日おきですし、「掃除機がけ」は週二回、「家中のカーテンを洗う」は半年に一回です。こうした項目をそのつど思い出しながら「あ、やらなきゃ!」と取り組むのは何かと煩雑ですが、あらかじめYahoo!カレンダーに落とし込んでおけば、その日のやるべきことがわかりますので、深く考えなくても機械的に作業できるのです。

 このカレンダーを作成した当初は、PC画面でいちいちカレンダーを表示してはやるべきことを確認していました。しかしこれでは画面にアクセスしない限り、忘れてしまいます。そこで次にやったのは、カレンダーをひと月分印刷し、冷蔵庫に貼ることでした。これで毎朝冷蔵庫を開けるたびにリストを見るようになりました。しかし、それでも見忘れてしまうことが度重なってしまったため、最近はひと月分のカレンダーを縮小印刷し、手帳に挟んでいます。おかげで手帳を開くたびにカレンダーが目に入り、やるべき項目も頻繁にチェックできるようになりました。

 今日10月19日月曜日のやること項目は3つ。「夜にホームベーカリーをタイマーセット」「台所のタオルを洗う」「台所の垂直面を拭く」です。実行できた項目には赤ペンでチェックマークを入れます。一か月が終わる頃にはどの家事が完了してどれが実行できなかったかが一目瞭然となり、未完のものは翌月に持ち越されます。

 これまでは「自転車を拭く」「古本を売る」など、ついつい後回しになっていた作業が多かったのですが、Yahoo!カレンダーでリストアップしたお陰で、だいぶ後ろ倒しにならずに済むようになりました。これからも色々な工夫をしながら、スッキリとした生活を心掛けたいと思っています。

(2009年10月19日)

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記事を書いた人

柴原早苗

放送通訳者。獨協大学およびアイ・エス・エス・インスティテュート講師。
上智大学卒業、ロンドン大学LSEにて修士号取得。英国BBCワールド勤務を経て現在は国際会議同時通訳およびCNNや民放各局で放送通訳業に従事。2020年米大統領選では大統領・副大統領討論会、バイデン/ハリス氏勝利宣言の同時通訳を務めた。NHK「ニュースで英語術」ウェブサイトの日本語訳・解説担当を経て、現在は法人研修や各種コラムも執筆中。

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