勝間和代さんに学ぶ集中力とは
8月中、NHK教育テレビでは毎週木曜日に「知る楽 仕事学のすすめ」と題して勝間和代さんのインタビューが放映されていました。
私は勝間さんの本が好きで、いつも読むたびにたくさんの刺激を受けています。もっぱら書籍を通じて存じ上げるのみでしたが、今回は初めてご本人の話を映像で見聞することができ、大いに感化されました。
中でも印象的だったのは初回放送で述べていた方法。それは「集中力がないから集中しなくて良い方法を考える」というものでした。勝間さんというとズバ抜けたモチベーションと人並み以上の集中力があるように私は捉えていたのですが、ご本人の弁によれば、集中するのは苦手とのこと。だから集中しなくて良い方法を一生懸命考え、それを実践してきたのだそうです。
私自身、自分の好きな仕事や勉強であれば、かなり長時間でも集中することができます。けれども、やりたくないことであったり、得意ではあっても疲れていてやる気が失せたりしているときなど、なかなか重い腰を上げられません。いつも手帳に「やることリスト」を書いていても、完全に全項目をやり遂げられる日はまれなのです。
そうは言ったものの、やはり「やることリスト」を愚直に書き続け、単調な作業ほど細分化していった方が、実際のところ完遂度合いも高くなります。たとえば私の場合、ここ数年は仕事が多忙になり、家事が後手後手に回っています。きれい好きという自分の性分を考えると、やはりきちんと掃除をした方が気分よく過ごせるのは明らかです。
以前私はYahooのカレンダー機能で家事リストを作り、冷蔵庫に貼っていました。「毎朝冷蔵庫を開けるたびにやるべき項目を目にすれば必ずやるはず」と思ってのことだったのです。ところが数か月前からリスト自体を見なくなってしまいました。貼ってあるものの、目もくれなくなってしまったのです。
これではいけないと思っていた矢先、勝間さんの一言に遭遇しました。私にとって「集中しなくても良い方法」とはすなわち、このカレンダーを縮小印刷し、手帳に挟みこむことだったのです。手帳なら毎日何度も目にしますので、家事リストも手帳とともにあれば否が応でも目にします。
このおかげで、たまっていた家事も毎日少しずつカレンダー通りにこなせるようになりました。「さあ、家事をしよう!」と集中力を高めなくても、機械的にこなせるようになったのです。私の場合、単にカレンダーの掲示場所を冷蔵庫から手帳へと変えただけですが、この小さな変化が私に大きな違いをもたらしてくれました。
人間、やる気だけですべてをこなすことはできません。「深く考えなくてもとにかくやる仕組みを作ること」、この大切さを私は学びました。
(2009年8月24日)
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