【最終回】オリンピック・パラリンピックの基本コンセプト
オリンピックの開幕を直前に控え、今回の記事で最終回です。最終回は、東京オリンピックとパラリンピックの基本コンセプトについてです。
企業内の研修などではあまりないですが、企業の代表の参加する会議であったり、企業間の会議であったりすると、企業の理念やコンセプトの話が出ることもあります。このようなものは、それぞれの企業や団体で定訳を作っていますから、予習の段階できちんと確認しておくことが必要です。
東京大会についても、同じように3つの基本コンセプトが日本語と英語で準備されています。基本コンセプトとして挙げられているのは3つ。
1つ目は「全員が自己ベスト」です。これはAchieving personal best.と訳されています。その中には「整備」や「運営」という言葉もあります。英訳を見るとそれぞれDevelopとOperateという動詞が使われています。コンテキストによってほかの用語を使った方がよいこともありますが、確認しておくことが大切です。
同様に、「おもてなし」にも言及があります。これはOmotenasi or hospitalityと訳されています。これは招致活動でもカギとなった単語ですから、訳す時にもあえて日本語の単語を使った方がよいこともあるでしょう。ただ、それだけだと不親切にもなるので、or hospitalityと付け加えるとわかりやすいです。
2つ目の基本コンセプトは「多様性と調和」。英語ではUnity in Diversityとなっています。「多様性の中での調和」というニュアンスなので、少し日本語とはずれていると思われるかもしれませんが、「Diversityが現実で、その中で調和を目指そう」という気持ちが日本語のコンセプトにもあるでしょうから、訳として一致しています。また、「共生社会」という表現は、A welcoming environmentと訳されていて、日本語よりも英語の方がわかりやすい表現です。
3つ目の基本コンセプトは「未来への継承」。「伝統芸能の継承」など、「継承」という言葉が使われることはありますが、ここではConnecting to tomorrowという訳になっています。Tomorrowには「明日」だけではなく、一般的な「未来」の意味もあります。
大会ビジョンは「スポーツに世界と未来を変える力がある」で、Sport has the power to change the world and out future.が定訳。丸暗記してもよいですが、ビジョンには追加の文章もありますから、スピーチなどで言及があったときにはすぐに見つけられるところに対訳で書き出しておくことがおすすめです。
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