INTERPRETATION

水泳競技

木内 裕也

オリンピック通訳

前回の記事では、陸上競技に焦点を当てて英語の種目名を紹介しました。今回は、水泳競技に焦点を当てたいと思います。

陸上がAthleticsと呼ばれていたように、水泳はAquaticsと呼ばれます。もしかすると、皆さんの近所にも、「アクアティックセンター」と呼ばれる施設があるかもしれません。地元のプールなどで、ジャグジーがあったり、サウナがあったりするような施設です(ちなみにサウナはSaunaとそのままですが、日本語の発音で「サウナ」と言っても、なかなかわかってもらえないことがあるかもしれません。発音注意です。)。

プールで行う種目で一番最初に思い浮かぶのは、競泳でしょう。Swimmingと呼びます。泳ぎ方にも色々あります。自由形はFreestyle。直訳ですね。日本語ではクロールと呼ばれますが、英語でCrawlとはまず言いません。Front crawlという表現もあるようですが、耳にすることはまずないです。Crawlというと、「這う」という意味になって、赤ちゃんのハイハイをイメージします。

また、泳ぐ時の腕の動きをストロークとよびますので、背泳ぎはBackstroke、平泳ぎはBreaststrokeです。バタフライはそのままButterfly。これらの泳法を組み合わせた競技はメドレーですね。Medleyです。個人メドレーはIndividual medley。メドレーリレーはMedley relayです。男女混合メドレーはMixed medley。RelayのアクセントはEにあります。

プールで行われる競技には、飛び込みもあります。Divingと呼ばれる競技です。高飛び込みはPlatform divingと呼ばれます。飛び込む時に使われるボードをプラットフォームと呼ぶので、「10メートル高飛び込み」であれば、10m platformと英訳します。また、飛板飛び込みもあります。高飛び込みで使われるボードには弾力性がないですが、飛板飛び込みのボードは弾力があります。このボードはSpringboardと呼ばれます。したがって、飛板飛び込みはSpringboard divingです。3m飛板飛び込みであれば、3m springboardと呼びます。また、飛び込み種目にはシンクロナイズドダイビング(Synchronized diving)もあります。

ほかにも水泳競技には、水球(Water polo)もあります。また、「シンクロ」と呼ばれることの多いSynchronized swimmingですが、これは数年前に呼び方が変わったのをご存知でしょうか? 新しい名前は、アーティスティック・スイミングです。英語でもそのまま、Artistic swimmingと言います。2人で行うデュエットはDuets。チームはTeamsです。水泳には遠泳もあります。10キロマラソンスイミングと呼ばれる競技は10km marathon swimmingと訳します。

 

Written by

記事を書いた人

木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

END