オンライン授業
アメリカでは新学年を控えています。最近では定員に達しない場合には開講中止となる授業も多く、新学期の寸前にならないと教員も実際に授業を教えることになるのか把握できない状況です。大人数の授業が増えていることは先々週にも書きましたが、同様に需要が増加しているのはオンラインの授業です。私も2010年の春学期はオンラインの授業を担当することになりそうです。
ミシガン州立大学では基本的に授業は3つの種類に分類されます。通常の授業形態がもちろん典型的です。2つ目はハイブリッドと呼ばれるもの。例えば集に80分の授業を2回する代わりに、50分の授業を2回に短縮し、約60分を要するオンラインの作業が行われます。これは講義をオンラインで聴く場合もあれば、モジュールと呼ばれるオンラインでのちょっとしたアクティビティーの場合もあります。時にはオンラインでのテストもあります。3つ目は100%オンラインで行われる授業。私の友人はミシガン州立大学の教員ですが、他の大学6校と連携して、オンラインで大学院の授業を開講しています。学生は世界中にいて、実際に学生と顔を合わせることは1度もありません。私が来年の春に教えることになりそうなのは、この3つ目のタイプの授業です。
授業ですから、もちろん講義が行われます。事前にパワーポイントのプレゼンテーションを作り、そこに音声を吹き込みます。自動再生機能を利用して、学生がクリックすれば講義が始まるようになっています。講義の各所にちょっとしたクイズを設けて、正答しないと先に進めないようにするなど、きちんと学生が講義を聞いていることを確認するシステムもあります。実際の授業ではディスカッションが行われますが、それと同じようにオンラインで24時間のディスカッションが行われます。時差がありますから、「何時にログオンしてディスカッションを行います」ということはできません。学生は自由な時間にログオンして、コメントを行います。この内容や頻度が点数を左右します。
オンラインの授業では論文やレポートを書くことが重要です。学生の理解度を測るには、オンラインでのテストもありますが、レポートも非常に重要な要素です。そのため、オンラインの授業を履修する場合にはオフラインの授業に比べて学生の負担は非常に大きなものになります。講義を聞いて、読むべき論文や学術書を読むのに加えて、毎週10ページ弱のレポートを書かなければなりません。教員には毎週20時間から30時間かけてこなせる量の課題を出すように指示が出ています。
レポートがあれば、それだけ採点する教員の負担も増えます。最大でも35名程度の学生しか1つの授業で教えることはできません。また、学生とのやり取りはメールが中心です。24時間以内に返事をすることが求められていますが、実際には学生からのメールが届いて数時間以内に返事をします。また通常は特定の曜日の特定の時間にオフィスアワーを設けて、学生が自由に質問できるような時間を設定します。オンラインの授業の場合には、同じように特定の時間に教員がオンラインになり、チャット形式で学生と話ができるようにします。
個人的には学生の顔が見える従来の授業が好きですが、オンラインの授業は需要が上がっています。これからもオンラインの授業の数は増加するでしょう。それに適応することが求められそうです。
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