INTERPRETATION

「大学生活の英語表現」

木内 裕也

Written from the mitten

 3月から4月にかけて、アメリカの大学はバスケットボールのトーナメントで話題が持ちきりになります。March Madnessと呼ばれるNCAAの大会が行われるためです。私の在籍するMichigan State Universityは運よく勝ち進んでいるようで、全国大会の準決勝を控えています。親しい友人でバスケットボールの大好きな人がいるため、先週は試合のTV放映を少し観る機会もありました。過去に教えた学生の中にはバスケットボールチームに所属している学生もいて、勝ち進んでいるというのを聞くと嬉しく思います。

 このようなNCAAのトーナメントになると耳にする面白い英語表現がいくつかあります。ベスト16はSweet Sixteenと呼ばれ、第1回戦(First Round)、第2回戦(Second Round)などとは違った呼び名がつきます。準々決勝はElite Eightです。ミシガン州立大学が準決勝進出をかけて試合を行う前には、Elite Eightを突破して、Final Fourに残って欲しい、と多くの地元メディアが報道していました。準決勝はこのようにFinal Fourと呼ばれます。

 March Madness、Sweet Sixteen、Elite Eight、Final Fourの例から分かるとおり、それぞれの単語の頭文字が同じアルファベットでそろえられています。これはAlliterationと呼ばれ、Ann ate artichokes and anchovies.といった文章にあるとおり、それぞれの単語の頭文字をそろえる言葉遊びの1つです。これは大学キャンパスではバスケットボールの試合以外でも耳にすることがあります。それはアメリカの大学らしいといえばそれまでですが、学生たちが近所のパブに出かけたり、パーティーを行う言い訳に使う表現です。

 月曜日であればMessed-up Monday、Trashed Tuesday(Tequila Tuesdayというのも)、Wasted Wednesdayなどと続きます。もちろん金曜日と土曜日にも同じような表現があるのですが、ややここに記載するには不適当なので、興味のある場合はUrban Dictionaryなどをご参照ください。日曜日はSober Sundayと呼ばれるようです。大学生の友人に聞いてみたところ、通常は木曜日の夜から週末が始まり(金曜日の授業はいかにもパーティーからそのまま不眠不休で授業に来たと思われる学生がたまにいます)、日曜日の早朝まで学生生活を楽しむようです。そして日曜日は午後までゆっくりと寝て、翌週に向けて宿題を一気にこなすとか。日曜日の午後や夜に友達と食事に行くなどということはまず無いと話していました。

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木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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