「口答試験」
これまでこのブログで何度か博士号を取得するまでの経過をご紹介しています。総合試験についてや、その後のいくつかのプロセスについて、私の個人的経験を元に書きました。その間も博士論文の執筆は順調にすすみ、最後の関門となる口答試験の日程が4月17日に決まりました。
口答試験では、論文に書いた内容について様々な質問を受け、それに答えなければなりません。その目的は博士号取得者として適当な専門知識を有しているかを確認し、その1つ目の成果物である博士論文の内容の妥当性を吟味することにあります。
私の口答試験の予定所要時間は2時間。最初の20分が私のプレゼンテーションです。600ページを越す博士論文を20分にまとめるのも至難の業ですが、実際に試験の合否を決める4名の教授の手元には論文が3週間前に提出され提案されていますから、簡単に内容をまとめれば問題がないでしょう。より重要なのは、プレゼンテーションの後です。指導教授4名が、1人20分ずつの質問時間を与えられます。論文に関する疑問点、不明瞭な点、意見を異にする点などを1つずつ質問します。4名の教授が担当していますから、合計で80分間、それらの質問に耐え忍ばなければなりません。理論的な過ちがあったり、内容について明確な答えを提示できなければ、それが不合格の理由となります。80分間の質問時間が終わると、私は部屋を出なければなりません。指導教授4名だけで合否を話し合います。これには数分間しかかかりません。結果には3種類あります。合格、不合格、そして条件付合格です。基本的に口答試験の場で合格を受けることはまずありません。多くの場合は、いくつかの修正箇所(タイプミスなど基本的なものから、文献の追加などまで様々です)を指示され、それを修正することを条件に合格となります。もちろん、不合格の可能性も十分にあります。これに10分程度かかりますから、大体2時間の所要時間です。
ミシガン州立大学の口答試験は一般に公開されます。場所と時間が公表されますから、私の知らない人が試験会場に訪れ、質問を行うこともあります。また研究とは全く関係の無い、審判つながりの友人の中には、今から「4月17日には絶対に見に行く」と張り切っている人々もいます。場合によっては一般参加者の質問に答えられずに口答試験に不合格となる場合もありますから、参加者が少ないほうがうれしい、というのも本音ですが。
今後の2ヶ月間では、論文を何度も読み返し、修正を加えることが重要です。3月末までにそれぞれの指導教授に最終版を提出します。それまではラストスパートです。提出さえしてしまえば、あとは当日を待つのみ。実際、4月上旬はダラスでの審判割り当て、ボストンでの通訳、ニューオーリンズの学会と外出が続きます。いい意味で論文から離れ、試験に臨みたいと思っています。そして18日からはボストンに戻り、20日のボストンマラソンに備えます。
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