INTERPRETATION

「Blackberry」

木内 裕也

Written from the mitten

 今年の春に携帯電話を買い替え、Blackberryと呼ばれる製品を使うようになりました。Blackberryはまだ日本であまり知られていないようですが、アメリカでは非常に利用者数が高い機種です。外見の特徴としては通常の携帯電話より幅が広く、パソコンと同じようなキーボードが使われています。また画面も非常に大きいのが目に付きます。アメリカでは携帯電話によるメールの送信がそれほど発達していなく、昔の日本のように非常に限られた文字数しか1度に送ることができません。Text Messageと呼ばれるサービスが携帯電話を利用したメールにあたり、I texted you this morning.(今朝メッセージを送ったよ)と動詞で使われることもあります。例えば150文字という風に文字数が限られているので、様々な省略形が用いられるのも特徴です。LOLやTTYLなど、インスタントメッセンジャーなどのサービスで始まった表現が、テキストメッセージでも頻繁に使われます。主語を抜かす、ピリオドは省く、などという特徴もあります。しかしやはり文字数の制限は不便ですし、一部インターネットのできる携帯電話のモデルがあっても、それで通常のメールをチェックするのは不便です。そこで役に立つのがBlackberryです。携帯電話上でメールアカウントを複数設定できます。私も学術、審判、通訳、プライベートとアドレスを複数持っていますから、それぞれを携帯電話に記憶させました。メールが届くとそれが携帯電話に送られてきて、携帯電話から返信することができます。今までは自宅に戻ると何十通と届いたメールを確認し、返信しなければなりませんでしたが、今では時間があれば受信と同時に返信することも、空き時間を利用して返信することも可能です。重要なメッセージであれば、それを確認してすぐに電話で相手に連絡を取ることもできます。一般的な携帯電話でもインターネットが利用できればメールチェックができますが、Blackberryのサービスは非常にその過程が簡素化され、便利です。何ヶ月か前にパソコンの画面を2つにすると作業効率が非常にアップするということを書きましたが、それと似た効果があるように感じます。

 私は利用していませんが、GPSサービスを定額料金で利用することもできます。もちろん通常のインターネットや、アドレス帳、カメラ、ビデオカメラなどの機能もついていますし、添付ファイルを開くこともできますから、PDAと同じような要領で使うことができます。

 日本では最近、アップル社のiPhoneが発売になったようですが、アメリカでも人気です。IBMとアップルの間にスタイルや企業イメージの違いがあって、前者がビジネスマン、後者がカジュアルな雰囲気を出しているのと同じように、iPhoneとBlackberryの間には客層の違いがあるように見受けられます。大学生は圧倒的にiPhone利用者が多いですが、ビジネスマンはBlackberryが多いです。

 これまでの携帯電話からBlackberryに変えたことで、Blackberryの利用料金としてつきに約40ドル支払いが増えました。しかしそれに見合うだけの効果がこの製品にはあると実感させてくれる商品です。

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木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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