INTERPRETATION

「生産性アップ!」

木内 裕也

Written from the mitten

 「そんなの珍しいことじゃない」「ずっと前からやってる」と感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、仕事で使っているパソコンにモニターを1つ追加しました。自宅で翻訳の仕事をしたり、論文を執筆したりする時にノートパソコンを使って作業をしています。新たにモニターだけ追加で購入してそのパソコンと接続し、ドュアル・モニターと呼ばれる作業スペースを作りました。以前、The New York Timesでドュアル・モニターにすると効率性が約30%アップすると読んだことがありましたが、「モニターを追加するだけでそんなに作業効率が上がるのだろうか?」とやや疑いの気持ちでいました。しかし友人が実際にモニターを2つ使用して仕事をしているのを見て、「確かに効率が上がるかも」と思い始めたのです。

 モニターを2つ使用するということは、画面のスペースが2倍になるということ。ノートパソコンのモニターでワード文章を作成し、外付けのモニターにOutlookのメールシステムを開いておくこともできます。もしくはオリジナルのモニターで訳文を作成し、外付けモニターに原文を示すこともできます。これはもちろん1つのモニターでも画面を分割すればできることですが、スクリーンのサイズに限界がありますので、ワード文章の一部しか見えなかったり、文字が小さくなってしまったりします。モニターを追加することで、そんな問題も解消されます。

 ドュアル・モニターにして約2週間。効率性の向上を強く感じています。今までは画面下にあるタスクバーを参照してメールシステムとワードファイルを行き来していたのに、それをする必要はありません。今はちょうど、学生のレポートがメールで届く時期です。片方の画面でレポートを読み、もう1つの画面に学生の成績表を出しておけば、スムーズに採点を行うことができます。翻訳の作業をする時には、複数の情報を同時に見ることができるのが非常に役立ちます。参考資料をプリントアウトして参照しながら訳をする必要もありません。ネット上で検索した結果や、パソコンに入っている辞書の内容を見ながら訳文を作成できます。

 購入したのはDell社製の17インチモニター。私の作業内容では特に高画質である必要も無いので、最も手の出しやすいスタンダード型のモニターを購入しました。$160程度の投資でかなり効果が感じられます。初期設定も10分とかからず、非常にお勧めです。

 パソコンを使用することで作業効率が高まると同時に、作業が複雑化して時間のロスにつながることもあります。例えばシステムの立ち上げに時間を要したり、複数のソフトウエアを使用しているとパソコンの動きが遅くなったり。本当はもっと気楽に、焦らず仕事ができればいいのですが、効率性を求めざるを得ないこともあります。そんな目的を達成するには、非常に手軽なこの手法はとても役に立ちます。

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記事を書いた人

木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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