INTERPRETATION

「自家製ビール」

木内 裕也

Written from the mitten

バーベキューの話や、ソフトボールの話ばかりで、「本当にこの人はアメリカで研究をしているのだろうか?」と思われてしまいそうですが、お構い無しに今週は自家製ビールのお話です。「ビールは買うもの」と思っていましたが、ビール作りが好きな友達に誘われ、数週間前にビール作りに参加してきました。必要な器具や材料は全て彼が手配してくれたので、私たちは手伝い兼見学。それから数週間が経ち、飲める状況になったビールを楽しんできました。そこでビールを作る作業とテースティングの様子を紹介します。

1枚目の写真にあるように、深くて大きな鍋に色々な材料を混ぜ、ゆっくりと煮込みます。何をどのタイミングでどれだけ入れるべきか、非常に細かく決まっていました。10分でも混ぜるタイミングを逃してしまうと、味が変わってしまうそうです。また作ってから飲むことが出来るまでの数週間、暗い部屋の中でねかせておくのですが、その間に菌が発生するのを防ぐため、滅菌や消毒に非常に気を使いました。2枚目の写真が、鍋の中身です。見た目はあまりビールっぽくなく、ただの茶色い液体にしか見えませんでした。換気扇を回していましたが、ビール工場にいるかのような、強い臭いも漂っていました。結局、2時間半以上かかり、予想以上に手間取る作業を終えて、「やっぱり買ったほうが随分楽だね」という意見が大半を占めました。

約1週間後には、たくさんの空瓶を各自持ち寄って、それに注ぐ作業を行いました。今回の計画を言い出した友人は、瓶のふたをはめる機械も自前で持っていたので、私たちは栓だけ購入し、様々なラベルのついた瓶に注ぎました。この時も滅菌された器具を使って、丁寧に行いました。

作った日から約三週間が経過し、友達の家のクローゼットに眠っていた約20本のビール瓶のテースティングがBBQを兼ねて行われました。BBQは別の友人が主催し、彼が氷の入ったケースの中で、ビールを冷やしておいてくれました。3枚目の写真にあるとおり、見た目は市販のビールと変わりません。「IPAというブランドに似た味がするはずだ」という解説を受け、一口飲んでみると、思っていたよりは上出来でした。やや苦めの味がしました。残念ながら皆、2本目は市販のビールに手を伸ばしていましたので、やはり素人が作る味は少し劣ります。しかし友達とワイワイいいながら作り、3週間「早く飲んでみたいね」と話をし、晴れた暑い日の午後にBBQを楽しみながら自分達で作ったビールを味わうのも、なかなかのものでした。

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記事を書いた人

木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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