INTERPRETATION

「 あけましておめでとうございます 」

木内 裕也

Written from the mitten

 2007年がスタートしました。皆様の年始はいかがでしょうか? 私は久しぶりの里帰り…ではあるものの、1月4日から大阪で開かれている国際会議にて通訳を行っております。そしてこの投稿が更新される1月8日には、成田からミシガン州へ向かう飛行機に乗っています。3週間の里帰りもあっという間です。

 さて新年を迎えると、誰もが気持ちを新たにするものです。Resolutionという単語を聞くと国連の決議案を思い浮かべそうですが、アメリカ人の子供たちは(大人も)New Year’s Resolutionとして新年の目標を立てます。1月末にはすでにAmendment(修正)が必要だ、ともいいますが……

 私も「目標」と呼ぶには大げさですが、今年の計画を立ててみました。なによりもフランス語。フランスの高校に通い、ニュースや映画は問題なくわかるとはいえ、やはり本業の英語からは程遠いレベル。毎年「今年こそはゼロから復習しよう!」と思うのですが、「明日の新素材用語覚えなくちゃ」「来週は欧州経済統合」という通訳者の生活。そして今では「来月の学会発表論文、まだ書いてなかった!」「明日の授業、何について話そう……」という生活で、なかなかフランス語に手が回っていません。1月末で軌道修正が必要にならないように、ちゃんと勉強しようと思います。

 今年の前半は学会が目白押しでもあります(フランス語、大丈夫かな)。1月にはトロントで最近話題のインターネットサイト、YouTubeに関する発表を行います。2月にはメリーランド州。3月はカリフォルニア。4月はマサチューセッツと続きます。春と秋に通訳者が忙しくなるように、学会も春と秋に集中します。学会では10分から15分の持ち時間を与えられ、そこで自分の最新の研究結果を発表します。10分ならA4 で8枚程度。15分なら11枚程度、というところでしょうか。その後聴衆からの質問を受け、自分の研究をよりよいものとしていきます。学術誌や専門書として発表する前のステップとも考えられます。ですから少しでも質の良い論文を発表することで、よりよいフィードバックを得ることができます。論文の執筆も頑張らなければいけません。

 秋に目を向けると、Comprehensive Exams(略してComps)とよばれる一大事の準備期間になります。Compsとは博士課程における唯一のテスト。70冊〜120冊程度の本を読み、その後指導教諭から3つ位の試験問題を渡されます。72時間以内に答を書いて提出しなければなりません。それを3回、別々のテーマで繰り返します。私の予定では2008年までCompsを受けませんが、それぞれの試験につき100冊前後の本を読まなければいけませんから、秋から準備を始める予定です。今年の3つ目の目標は順調にその準備を進めること。

  最後は日々の充実感です。アップル社の社長であるSteve Job氏が「朝起きて鏡の前に立ち、『今日が人生最後の日であっても後悔しないだろうか?』と自問する。その答えが3日連続してNoであった場合、私は仕事を変えるだろう」と言ったそうです。私もその日その日が人生最後の日であっても後悔しないような生活を日々送れるよう、今年も努力してまいります。その経過は、このブログにて。

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木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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