INTERPRETATION

「2009年を迎えて」

木内 裕也

Written from the mitten

 明けましておめでとうございます。

 今年も色々なことが起こる1年になりそうです。これまでに何度か書いている通り、5月には博士号を取得する見込みです。冗談で「大学に入学して約10年、まだ大学に通っている」と言う事もありますが、それも終わりです。もちろん博士号取得までにはいくつかの過程が残っていますが、順調に行けば夏前には全てが終わるでしょう。また夏以降はミシガンを出て、どこか他の州にある大学で教えている可能性もあります。まだ行き先は決まっていません。場合によってはミシガン州内の大学で教鞭をとることができるかもしれません。しかし3年間いたミシガンを離れることも考えられます。そうなったら、このブログの名前もWritten from the Mittenから変えないといけないですね。

 アメリカ全体に目をやれば、やはりオバマ大統領の就任が大きな話題です。2007年にオバマ氏の自伝を翻訳し、2月には別のオバマ氏関連書籍の翻訳が出版されます。ある意味では関連書籍が飽和状態になっている感もありますが、別のプロジェクトが行われる可能性もあります。また学会などでもオバマ氏がテーマに上がることも多く、今年も目を離すことができないでしょう。

 約1週間ですが年末年始に日本に帰国して気づいたのは、日本国内で非常に強く経済不況が感じられていることです。「アメリカを発端とする経済問題」という構図が想像以上に出来上がっていて、驚きました。というのも、アメリカにいる限りは特にアメリカが経済問題の発端地である、という意識が薄いからです。もちろんアメリカのサブプライムローン問題などが地球規模の問題のスタートであったのは事実ですが、多くのアメリカ人は世界的な経済低迷の流れの1つとしてアメリカの問題が発生した、と考えています。必ずしも自国が世界的な経済問題を引き起こした、という意識はありません。現在の問題は新しい大統領が就任したからといって解決されるものではないでしょうが、どのような変化を見せるのかが興味深いところでもあります。

 昨年は春にヨーロッパを訪れる機会がありました。フランスにはほぼ毎年向かっていますが、前回は学会への出席を理由に、電車で様々な国を回ることができました。今年はそれと同じくらいの期間で欧州を回る時間的な余裕はなさそうですが、フランスに向かうついでに行ったことのない国を1つか2つ訪れることができれば、とも思っています。

 今年もサッカーに頑張る予定です。通常は4月までシーズンオフですが、すでにそれまでの試合が入っています。2月はアリゾナ、3月はフロリダ、4月はテキサス、5月はフロリダなどで全国大会や国際大会がありすでに割り当てが入っています。プロリーグ担当審判員は春に体力試験を受けますが、その前に十分な準備をしておかなければなりません。

 このように2009年も盛りだくさんです。今年もその時のアメリカの様子をお伝えしていきたいと思います。

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木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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