INTERPRETATION

夏の静養

木内 裕也

Written from the mitten

 一時帰国をした日本からアメリカに戻ってすぐ、友人の家族に誘われてミシガン州西部にあるSouth Havenというブルーベリーで有名な湖岸の街で、夏休みを楽しんできました。一部は2ヶ月前のキャンプと同じメンバーでした。私の友人とその両親、彼女の叔父さんや叔母さん、そして従妹など10名の団体でした。皆で湖岸の一軒家を1週間借りて、ボートに乗ったり、砂浜で本を読んだり、リラックスの数日間でした。私は途中からの参加だったので、金曜日から日曜日だけでしたが、他の人々は日曜日から翌週の日曜日まで、まるまる1週間の夏休みでした。

 滞在中の生活はゆっくりとしたもの。早く起きる人でも朝7時過ぎ。コーヒーを作り、パンやマフィンなどで朝食を済ませると、リビングルームで団欒です。人によっては近所を散歩に行ったり、サイクリングに行ったり。先ほど書いたとおりブルーベリーの栽培で有名な場所ですから、皆でブルーベリー畑に行ったりもしました。畑には大きなタイヤのついた機械がありました。その機会が木の間を移動して、木を揺らします。その衝撃でブルーベリーが機会の中に転がるという仕組み。近くにあるお土産屋には、ブルーベリーを使ったアイスクリームから、ビーフジャーキー、バター、ジャムなどが並んでいました。

 日中になると昼食の準備でグリルに火が入ります。これまでキャンプのときにもグリルのことは書きましたが、アメリカの夏の休暇とグリルには、本当に切っても切り離せない関係があると感じます。今回も鶏肉を丸々2羽分焼いたり、ホットドッグを焼いたり、大活躍でした。

 午後になると、家のすぐ裏が湖なのでそこの砂浜で読書をしたり、そこに停めてあるボートに乗って湖を回ったりしました。また釣り好きの人は釣りも楽しんでいました。私も誘われて1時間くらい釣り糸を垂らしましたが、全く釣れませんでした。私と一緒にいた人は誰も釣れていませんでしたから、私の腕だけのせいでもないでしょう。

 夕暮れの時間になるとキャンプファイアーをします。パンアイロンというものを使った夕食もありました。これは金属の棒の先に、鉄でできた平らなお皿がついています。ちょうど食パン1枚のサイズで、そこにパンや具を入れ、もう1枚のパンで挟んだ後に、もう1つの鉄のお皿で挟みます。イメージはホットサンドイッチでしょうか。これをキャンプファイヤーの中に入れて10分もすると、美味しいサンドイッチが出来上がります。中にはハムや七面鳥の肉をつめたり、前の日の夕食の野頃だった鶏肉をつめたり、時にはスパゲッティをつめたり。思い思いのサンドイッチを作りました。

 一緒に休暇を過ごした友人の従妹は、今月末から私の教えるミシガン州立大学の学生になります。授業が一緒になることはもちろんありませんが、これまで過ごした実家を離れて(とは言っても車で1時間半くらいの距離ですが)大学の寮に入ることに、少し緊張をしているようでした。すぐに新しい友達ができて、楽しむことができるでしょうが。そして私は、夏の休暇が終わるとすぐに新学期のシラバス作りに取り掛からなければならないのでした。

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木内 裕也

フリーランス会議・放送通訳者。長野オリンピックでの語学ボランティア経験をきっかけに通訳者を目指す。大学2年次に同時通訳デビュー、卒業後はフリーランス会議・放送通訳者として活躍。上智大学にて通訳講座の教鞭を執った後、ミシガン州立大学(MSU)にて研究の傍らMSU学部レベルの授業を担当、2009年5月に博士号を取得。翻訳書籍に、「24時間全部幸福にしよう」、「今日を始める160の名言」、「組織を救うモティベイター・マネジメント」、「マイ・ドリーム- バラク・オバマ自伝」がある。アメリカサッカープロリーグ審判員、救急救命士資格保持。

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