書籍企画
この夏は、複数の学術書籍出版に関するプロジェクトが進行しています。すでにウイスコンシン州州立大学で教えている友人と共著で行っているアメリカ文化と野球に関するプロジェクトは、出版社からゴーサインも出て、今年中に複数の章を書き上げる予定で進んでいます。全部で7章から8章の計画ですが、すでにその2章が完成し、もう2章も今月中に書き上げることができそうです。
私の博士論文はある大学出版局が出版の関心を示してくれています。すでに600ページを超える原稿を出版社に渡し、1ヶ月〜2ヶ月以内に出版の決定がされます。出版については、基本的に各ページが真っ赤になるほどの赤ペンのコメントが入ってそれを修正することで出版許可となる場合から、いくつか全体のコメントに対して修正を加えて出版がされる場合など、いくつかのケースが考えられます(もちろんすぐに出版NGの場合もあるのですが……)。
また別の出版社とは、サッカーとグローバル化に関するプロジェクトもあります。これについては私がすべてを書くのではなく、編集者のような役割で複数の筆者を集め、私が監修をするプロジェクトです。まだ出版社の最終OKは出ていませんが、可能性は大きそうです。近日中に企画書の一部を提出する必要があるので、その質も出版可否に大きな影響を与えるでしょう。
最後のプロジェクトは、私の専門分野でもあるアフリカ系アメリカ人の分野の本。特に日本とのかかわりに焦点を当て、1冊の本にまとめます。すでに出版社の担当者とは1年前位にあった学会で話をして、関心を持ってもらえました。こちらはまだ企画書を全く提出していない段階ですから、どうなることか分かりません。提出する企画書などの質がこれも大きくその後の決定を左右することになるでしょう。
アメリカの大学出版局で本を出すには、前書き、サンプルとなる章、目次などを送ると同時に、数ページにまとめた企画書が必要です。ここに書くのはこれまでの学術書籍と何が違うのか、どのような本がライバルとなるのかなどその分野に精通していることがもちろん求められます。また大学や大学院の教科書としての利用、図書館の蔵書、研究者による利用、そして関心のある一般読者による購入の4つの顧客層にアピールできることを示すことも大切です。研究所は時に700冊程度しか印刷されないものです。その多くは図書館で使われ、数十冊が全米の大学院などで授業の教材として使われます。普通の本屋では販売もされませんから、なかなか一般読者による購入は数が増えません。しかし専門書であってもその狭い分野だけで読まれることは望ましいことではありません。専門書といえば、専門用語が並び、解読不能な文章ばかりというイメージですが、実際にはJargonと呼ばれる一部の人々だけがわかる言葉は望ましくないとされています。
今年の秋か年末までには、2冊程度の出版が決まるでしょうか?
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