第66回 通訳の着こなし
「通訳」というのが、似合わなくなってきた。
そう感じることがあります。
洋服のように、「通訳」という服がよく似合って、ずっと定番で着てきたけれど、似合わなくなってきた。だけど、気に入っているから、捨てたくない。
だったら、アレンジして着こなせば?
スーツだったら、ジャケットだけ使って別のパンツと組み合わせたり。アクセサリーを変えてみたり。ひとつの着方にこだわらずに、自分なりにアレンジしますよね。
そんなふうに、「通訳」も自分に似合うように着こなしていけばいいと思うのです。
「通訳、かくあるべし」
通訳学校だと、まるで洗脳のように、「通訳っていうのはこういうもんなのよ!」と刷り込まれがちです。 常に通訳のことを考えて、何事も通訳につなげなければなりません。
かくいうマリコも、以前は「24時間、なんでも通訳に関することをしてなくちゃ」と思い込んでいるタイプでした。通訳以外のことをしていると、妙な罪悪感を覚えてしまうほど・・・。
でも、そうして生きていると、どんどん人間の幅が狭くなっていっちゃうんですよね。得られるものよりも、人として大切なものが、すごく損なわれてしまうんです。
通訳の仕事上、通訳スキルのことにばかりどうしても目がいきますよね。他の仕事よりも、人間的なスキルを育てることに目を向けなくてすむかもしれません。
でも、お客さまの身になってみたら、「ガツガツ通訳の腕ばかり磨いているけど、髪振り乱して雰囲気が険悪で、協調性がなくて一緒に居たくないタイプ」にわざわざお仕事を頼もうとは思わないですよね?
通訳の勉強も、仕事も大変です。でも、そこにはまり過ぎて「自分がどんなふうに生きていきたいのか」「自分がどんな人になりたいのか」を見失ってしまったら、もったいないですよね。
「教え込まれた通訳像」に、みんなが合わせることはないでしょう?
もっと一人ひとりが「通訳」を自分に似合うように着こなしていけたらいいなあと思うのです。
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