INTERPRETATION

第61回 万国の通訳者、団結せよ!

寺田 真理子

マリコがゆく

通訳者の連帯感って、強いと思いませんか?

どんなお仕事でも、「同じ仕事をしている」となると、やっぱり親近感が湧きますよね。共通の話題も多いし、仲良くなりやすいものです。通訳者の場合、特にそれが強いような気がします。各地で迫害されているからでしょうか?

「通訳者はキリシタン」
そんな言葉が一瞬頭をよぎります。

もともと一匹狼的な職業だっていうことが、まずありますよね。だからこそ、「はぐれもの的連帯感」が強烈なんじゃないでしょうか。通訳者と聞くと、それだけでなんだか・・・。
「おおっ!同士発見!!」
といった感動があります。

それに、通訳者の苦労の質って、独特ですよね。それをわかりあえるのは、やっぱり同じ通訳者です。

おまけに、同時通訳を一緒にやるときなんかは、ものすごーく追い込まれている状況下で協力し合うわけですよね?いやでも連帯感が芽生えますって!愛すら芽生えても・・・いいはず。

『ブースで芽生えた愛の奇跡』
『ウィスパリング・ロマンス』

通訳者を主人公にしたそんな恋愛小説が台頭しないのが不思議でなりません。「通訳ロマンスもの」とか、そんなジャンルがあってもよさそうですが。あの、どなたか書いてみませんか?
これほど同士愛にあふれた(?)通訳者たちですが、団体として団結していくっていう話は、残念ながらあまり耳にしませんよね。団結したら、どんなことになるんでしょうか?

万国の労働者ならぬ、「万国の通訳者、団結せよ!」

そんなスローガンでも掲げてみましょうか。怒号渦巻く大会になりそうで、ちょっとこわい気もします・・・。いや、そういう自分が一番暴れてたりして。

「通訳者の団結を訴え、都内某所で開催された第1回万国通訳者大会では、日頃の憤懣をここぞとばかりにぶちまける通訳者が続出。あまりの熱気に主催者もたじろぐほど。一部が暴徒化して破壊行為に及び、近隣からの苦情が相次ぐ始末」

うーん。そんな新聞記事になりそうです。

大会じゃなくて、和やかなお茶会だったら大丈夫でしょうか?

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[ICP] Interpreter Coaching Program

Written by

記事を書いた人

寺田 真理子

日本読書療法学会会長
パーソンセンタードケア研究会講師
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー

長崎県出身。幼少時より南米諸国に滞在。東京大学法学部卒業。
多数の外資系企業での通訳を経て、現在は講演、執筆、翻訳活動。
出版翻訳家として認知症ケアの分野を中心に英語の専門書を多数出版するほか、スペイン語では絵本と小説も手がけている。日本読書療法学会を設立し、国際的に活動中。
ブログ:https://ameblo.jp/teradamariko/


『認知症の介護のために知っておきたい大切なこと~パーソンセンタードケア入門』(Bricolage)
『介護職のための実践!パーソンセンタードケア~認知症ケアの参考書』(筒井書房)
『リーダーのためのパーソンセンタードケア~認知症介護のチームづくり』(CLC)
『私の声が聞こえますか』(雲母書房)
『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』(クリエイツかもがわ)
『認知症を乗り越えて生きる』(クリエイツかもがわ)
『なにか、わたしにできることは?』(西村書店)
『虹色のコーラス』(西村書店)
『ありがとう 愛を!』(中央法規出版)

『うつの世界にさよならする100冊の本』(SBクリエイティブ)
『日日是幸日』(CLC)
『パーソンセンタードケア講座』(CLC)

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