第49回 通訳の敵!万国共通・オヤジギャグ
通訳をしていると、「国や文化が違っても、人間って基本的なところは変わらないのね」としみじみすることがありますよね。
特にその思いを強くするのは、「外国人がオヤジギャグを放ったとき」です。
「オヤジギャグが好きなのは、日本人だけじゃないのね・・・」
しみじみしながら、ちょっと肩を落としてしまいます。
たとえば、社内通訳をしていたときのある男性上司。ミーティングから戻ってきた彼は、”Oh, you are back!(ああ、帰ってきたのね)”と声をかけられてこう答えていました。
“No, this is not my back. This is my front.(僕の背中じゃないよ。こっちは前だよ)”
・・・わかります?backに「背中」の意味があるのを、かけているんですね。そのあと後ろを振り向いて、”This is my back.(背中はこっちだよ)”とわざわざギャグの解説までしてくれました・・・。
この上司、あまりにみんなから「オヤジギャグが寒い、寒い」と言われるので、そのうちオヤジギャグを放った後に日本語でこう訊いてくるようになりました。
「サムイデスカ?」
「はい、凍えるほどに」。そう心の中で答えておりました。
こんな上司ですから、当然ミーティングの場でも度々オヤジギャグを放ちます。そして通訳のわたしは、それを訳さなきゃいけないんですよね。もう、寒さ2倍です。しかも、わかりにくい場合はオヤジギャグの解説までしなきゃいけないんですから・・・。
「わたし、一体何やってるんだろう?」
訳しながらうつむいていってしまうのでした。
通訳泣かせのオヤジギャグ。困っている通訳者は多いはず。なんとかしてオヤジギャグを追放できないものでしょうか?エージェントさんからお客さまへの注意事項の中に「オヤジギャグはご遠慮ください」と盛り込んでもらうとか?それでもきっと出てくるオヤジギャグを撃退するには、どうすれば?
効果的なオヤジギャグ撃退法をお持ちの方、ぜひ伝授してください!
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