INTERPRETATION

第48回 通訳は季節労働者

寺田 真理子

マリコがゆく

通訳者のみなさん、「わたしって季節労働者みたい」と思ったことはないですか?

通訳者の稼ぎ時といえば、やっぱり秋ですよね。学会やセミナーが集中するこのシーズンはお仕事も増えます。来日ついでに観光などをしていくお客さまも多いせいか、全体的に需要が高まりますよね。

そして、春。気候がいいせいもあるのでしょうか、お仕事の話もぼちぼち増えてくる時期ですよね。

逆にオフシーズンといえば、夏と冬。業界全体がこの時期はしぼんでいくような感じがしませんか?「秋にはあんなに仕事の依頼があってお断りするのが大変だったのに、どうなっちゃったの?」という経験をみなさんもされたことがあるでしょう。

「じゃあ、春と秋にしっかり頑張っておかなくっちゃね」ということになるわけですが・・・ここで問題発生です。

春といえば・・・そう、花粉症。御多分に洩れず、わたしも春はティッシュが手放せないのです。鼻の皮がむけて、その状態で化粧をしたらすごい事態になったり。鼻のかみ過ぎで鼻の下が赤いのもこの時期はデフォルトです。
おまけに声変わりはするは、メモをとるのに下を向いたら鼻が止まらなくなるは、肝心の集中力なんてあるわけないは・・・もう、商売の邪魔もいいとこです。

ティッシュで鼻を押さえながら涙目で通訳をしているのって、どうなんでしょう?プロのプライドも何もあったもんじゃありません。「もう何でもいいから、とにかく鼻かませて!」という感じです。社内通訳だったら、「ちょっと待って」とばかりに通訳の途中に何度も「鼻をかんでリセットタイム」が入ります。

トドメを刺すように、最近は新たな問題が・・・そう、秋の花粉です。ひどい年なんかは、秋にもティッシュの箱を抱えて移動していました。
秋の花粉が問題になってきたのは、猛暑のせいでした。それも元はといえば、異常気象を起こした温暖化のせい。ということは・・・

地球環境を守らないと、通訳者までが絶滅危惧種になっちゃいます!

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Written by

記事を書いた人

寺田 真理子

日本読書療法学会会長
パーソンセンタードケア研究会講師
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー

長崎県出身。幼少時より南米諸国に滞在。東京大学法学部卒業。
多数の外資系企業での通訳を経て、現在は講演、執筆、翻訳活動。
出版翻訳家として認知症ケアの分野を中心に英語の専門書を多数出版するほか、スペイン語では絵本と小説も手がけている。日本読書療法学会を設立し、国際的に活動中。
ブログ:https://ameblo.jp/teradamariko/


『認知症の介護のために知っておきたい大切なこと~パーソンセンタードケア入門』(Bricolage)
『介護職のための実践!パーソンセンタードケア~認知症ケアの参考書』(筒井書房)
『リーダーのためのパーソンセンタードケア~認知症介護のチームづくり』(CLC)
『私の声が聞こえますか』(雲母書房)
『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』(クリエイツかもがわ)
『認知症を乗り越えて生きる』(クリエイツかもがわ)
『なにか、わたしにできることは?』(西村書店)
『虹色のコーラス』(西村書店)
『ありがとう 愛を!』(中央法規出版)

『うつの世界にさよならする100冊の本』(SBクリエイティブ)
『日日是幸日』(CLC)
『パーソンセンタードケア講座』(CLC)

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