第47回 カタカナさん
こんな話し方をするお客さまって、結構多いと思いませんか?
「このロールを決めて、リソースをアサインしなきゃいけないんだよね。あと、ここのポジションはハイヤリングするから。ジョブ・ディスクリプションをファイナライズして、アプルーバルもらおう。クリティカルなイシューはやっぱりコスト・リダクションのとこだね。ディテールをつめてプロポーザルを仕上げないと」
こんなお客さまのことを、「カタカナさん」とわたしは呼んでいます。外資系企業だと、これぐらいならまだ「普通」の領域かもしれませんね。「なにもそこまで」っていうくらい、カタカナを連発する人の多さに驚きます。
「そこまでやるなら、自分で英語でしゃべれば?」
通訳する身としてはごく自然にそんな感想を抱いてしまいます。でも、不思議なことにみなさん、英語で話すわけではないんですよね。話せそうではあるんですが、通訳を使うことにこだわる方が多いのです。
カタカナさんの通訳をしていると、なんだか、「用語指定」されている感じなんですよね。そのまま英語の発音にしていけばいいので、たいていの場合は楽といえば楽なんですが。
でも、ときどき「このカタカナは英語だとしっくりこないから別の言葉を使いたい」っていうときもありますよね。なのに、「カタカナさん」に限って、妙に用語指定にこだわりがあるんです。「この言葉を使って訳してほしい」というのがビンビン伝わってくる感じです。用語指定された言葉を使うごとに「+1点」とカウントされていくような・・・。
別の言葉を使って訳してしまうと、「どうしたんだ!?俺の指定した用語を使ってないじゃないか~!」という気配を感じ、こちらも「だからその用語指定じゃ伝わらないのよ!わかって訳してるのよ!」というオーラを発して対抗します。そんなひそかな心理戦を繰り広げることもあるんですが、これって結構体力消耗するんですよね・・・。
言ってもいいですか?
「や、やりにくぅ~!」
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