第43回 ぶっちゃけないで
通訳のみなさん、通訳をするときに「ぶっちゃけ」って使っていますか?
この言葉がすごく嫌いなんです。だって、なんだか語感がきたないじゃないですか。汚れたものをぶちまけられるような感じがしませんか?大きなゴミ箱をひっくり返して、中のゴミを力いっぱい散らかしているような。そんなイメージが浮かんでしまいます。
「通訳たるもの、そんなきたない言葉を使ってはいけない!」
そう思っているので、使いません。もちろん、普段も使わないように気をつけています。だって、普段から使っていると、ついうっかり、出ちゃうでしょ?(じゃあ、普段の言葉遣いが美しいのかと言われると困りますが・・・。そのへんのツッコミはなしにしてくださいね!)
そんな抵抗にも関わらず、どんどん「ぶっちゃけ」は浸透してしまいまして。渋谷にいそうな若者が使う言葉から、おじさまたちまでもが広く使う言葉に育ってしまいました。
困るのは、インパクトの強さです。「ぶっちゃけ」と言われてしまうと、なんだかそれに取って代わる言葉が見つからないのです。この言葉が出てくる前は、「本当のところを言いますと」とか「実を言えば」とか、そういう言葉を使っていたんですよね。でも、「ぶっちゃけ」の持つ「暴露感」が出ないのは事実です。
お客さまも結構使うんですよね。「まあ、ぶっちゃけたところを言えばですね~」なんて言われると、ついこちらも「ぶっちゃけ」を使いそうになってしまいます。
通訳のときに「ぶっちゃけ」を当たり前のように使う通訳者もいるそうですが、わたしはやっぱりこれには反対です。日本語のアウトプットの質がすごく損なわれちゃうと思うんですよね。せっかくの通訳も、「ぶっちゃけ」の破壊力で台無し、みたいな・・・。
将来、こういう言葉がどんどん浸透していくと、通訳のときに使われる言葉も変わっていくんでしょうか?
「ていうか~、ぶっちゃけ~、マジでそれ、ヤバくね?」
・・・そんな通訳、いやです!
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