第36回 これがどうなるっちゅうたらこうなる、それがまたどうなるっちゅうたらこうなる
通訳をしていると、「何が言いたいのかわからない」お客さまがよくいらっしゃいます。
日本人に多いんですが、長々と話しているのに要領を得なくて、「で、結局何が言いたいんですか?」とツッコミを入れたくなってしまうようなタイプです。
どうやら、「結論を述べてから背景事情を説明する」ことを苦手とする方が多いようです。
逆に、「背景事情を説明してから結論を述べる」という話し方になじんでいるようです。それでも、結論に到達してくれればまだいいのですが。中には延々と背景事情を説明するものの、いつまでたってもまったく結論に辿り着かない人もいて・・・。
このように通訳泣かせな人は結構いるものですが、その中でも印象深いお客さまがいらっしゃいました。システム開発関係のお仕事でご一緒することが多かったんですが、よく図の入った資料を使ったり、ボードに絵を描いたりして説明をしてくれました。視覚に訴える、わかりやすい情報を提供してくれているわけですから、それ自体はありがたいことのはずなんですが・・・その説明がすごいんです。
「これがどうなるっちゅうたらこうなる、それがまたどうなるっちゅうたらこうなる、そしてまたそれがどうなるかっちゅうたら・・・」
立ち上がって熱心に説明してくださるお客さま。伝えようという姿勢が素晴らしいです。
でも、それじゃ訳しようがありません・・・。
途方に暮れながらも、お客さまの指す図を見ていくと、「どうやらこういうことらしい」とわかってきます。
「このデータはサーバにあります。このデータはメインフレームに転送されて処理されます。ここはバッチ処理です。そして処理されたデータはこちらのサーバに・・・」
どうやらわたしの想像(?)は当たっていたようで、無事にミーティングは終了しました。
いくら機械で言語が処理されるようになって、将来通訳にとって代わるようになったとしても、このお客さまには絶対に生身の通訳が必要になることでしょう・・・。
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