INTERPRETATION

第31回 通訳適性検査

寺田 真理子

マリコがゆく

通訳に向いているのって、どんな人だと思いますか?
語学力が優れている人?コミュニケーション能力が高い人?勉強が好きな人?
いえいえ、ホントはそんなことではありません。自らの体験に基づいて開発した通訳適性検査をここでお披露目しましょう。みなさん、ぜひお試しを!

1.重い荷物を持つのには慣れている。
大量の資料や七つ道具と呼ばれるものを持ち歩かなきゃいけないんですから、当然いつも大荷物。以前、通訳コーディネーターだった頃、はじめて通訳と待ち合わせる際に「大きい荷物を持っている人がいたら通訳だと思え」と先輩に教わったほどです。

2.人前で平然とウソがつける。
ウソだと自分で気付いていないことも多々あったりしますが・・・。何事にも、とりわけ自分の失態に動じない姿勢が大切です。

3.人間扱いされなくてもめげない。
機材扱いなんのその。罵声叱責なんのその。そんなことではめげません。

4.自分のミスはすぐに忘れる。
覚えていたらきっと生きていけません・・・。

5.瞬間的な記憶力はあるほうだ。
訳し終わった途端にすべて忘却してもいいのです。

6.せっぱつまると作り話ができるほどクリエイティブ。
わからなくてもその場を取り繕っていかなきゃいけませんから。そんなことをしても、終わってからいい仕事をしたかのような錯覚が生じるようになってくればかなりのツワモノです。

7.話をしながらでもしっかり食事は平らげる。
「ごはん通訳」も必修科目ですね。

8.おしゃべりだが、秘密は守れる。
早口なのは役立つけれど、仕事柄機密情報に接することが多いので、うっかりお客さまのことまでしゃべったりしたら大変です。

9.目は悪いが耳はいい。
目からの情報も大きいので、目もいいに越したことはないですが。

10.甘いもの、特にチョコが好きだ。
糖分補給は大切です!

10項目に見事に該当してしまうあなた。通訳があなたの天職です!

すでにデビューしているあなた。運命だと思って受け入れましょう。デビューがまだのあなた。一刻も早く転職を!

Written by

記事を書いた人

寺田 真理子

日本読書療法学会会長
パーソンセンタードケア研究会講師
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー

長崎県出身。幼少時より南米諸国に滞在。東京大学法学部卒業。
多数の外資系企業での通訳を経て、現在は講演、執筆、翻訳活動。
出版翻訳家として認知症ケアの分野を中心に英語の専門書を多数出版するほか、スペイン語では絵本と小説も手がけている。日本読書療法学会を設立し、国際的に活動中。
ブログ:https://ameblo.jp/teradamariko/


『認知症の介護のために知っておきたい大切なこと~パーソンセンタードケア入門』(Bricolage)
『介護職のための実践!パーソンセンタードケア~認知症ケアの参考書』(筒井書房)
『リーダーのためのパーソンセンタードケア~認知症介護のチームづくり』(CLC)
『私の声が聞こえますか』(雲母書房)
『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』(クリエイツかもがわ)
『認知症を乗り越えて生きる』(クリエイツかもがわ)
『なにか、わたしにできることは?』(西村書店)
『虹色のコーラス』(西村書店)
『ありがとう 愛を!』(中央法規出版)

『うつの世界にさよならする100冊の本』(SBクリエイティブ)
『日日是幸日』(CLC)
『パーソンセンタードケア講座』(CLC)

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