第24回 通訳マインド
社内通訳だと、基本的に毎日通訳の機会がありますよね。でも、フリーランスだと、仕事のとり方にもよりますが、通訳をしない時期が続く場合もあります。わたしの場合は、本の翻訳にかかると、家にこもりっきりになる時期もあります。そう、「マリコがこもる」状態になってしまうのです!
いくら通訳力を落とさないようにあれこれ勉強を続けても、やっぱり実戦に勝るものはないと思うのです。実際のお仕事で戦って・・・もとい、通訳していないと、心配になることがあります。
「腕が落ちちゃったかも?」
そんな心配もありますが、それよりももっと心配になること・・・。それが通訳マインドです。
通訳って、人前で即興芝居をやるようなものだと思うんです。(ブースだったら、姿は出さないですみますが・・・。)自分が話をするわけではないですが、その場ではじめて聞いたものをとっさにほかの言葉に変換するわけですから。下手をすると大恥をかく可能性もある、ハイリスクなお仕事です。役者が舞台に立つのにマインドが必要なように、通訳が仕事に臨むのにも通訳マインドが必要なんです。
通訳デビューしたての頃だと、1対1のミーティングの通訳でも、緊張してしまうものですよね。それが経験を積んでいって、4、5人くらいはそんなに緊張せずに出来るようになって。徐々に30人くらいまでになり。100人、そしてもっと・・・となっていくわけです。
いつも規模の大きなミーティングをやっていれば、30人くらいのミーティングでも「なれたもの」です。でも、ブランクがあったり、小規模のミーティングばかり続いていたりすると、30人は「こわい規模」になってしまいます。そこに出て行くだけの心構え、通訳マインドをちゃんと保っていないといけないんですよね。
すきあらば、「ノーメイク、寝癖、メガネのパジャマ姿」で部屋に引きこもろうとする・・・。そんなわたしが通訳マインドを保つのは、かなり試練の道なのです。
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