第22回 お月さまとお星さま
間違いは誰にでもあるものです。そう、もちろん、通訳にも・・・。
なんだか冒頭から開き直ってしまっていますが。でも、通訳って、人様の前で間違えたり、恥をかいたりするのが仕事みたいなものですよね。それにいちいち落ち込んでいたら、こんな仕事はつとまりません。
デビューしたての初々しい頃には、間違ってしまうと申し訳ないやら恥ずかしいやら、消え入りたいような思いでしたが。最近は、「あら、失礼」くらいの感じです。通訳をしていると、通訳技術の進歩よりも面の皮がすごい勢いで厚くなるから、そのおかげで仕事を続けていけるんじゃないかしら・・・?挙句の果てに、ミスをしても、「おもしろいネタを拾っちゃった~」なんて喜んでいる始末です。
こんなミスも、やっちゃいました。
「ないものねだりをするよりも・・・」
これを訳すのに、「ないものねだり」を”asking for the moon”と言うはずが、何を思ったか”shooting a star”と言ってしまいました。本人は「バッチリ!」とか思っているのに、それを聞いた外国人側が「?」という顔をしているので、「あれ?おかしいなあ」と思ったんですよね。ウィスパリング通訳だったので、突っ込まれることもなくどんどん話は進んでいきましたが。そりゃ、わかんないですよね。”shooting star”(流れ星)というのが頭の中にあったからでしょうか?
あつかましくもわたしは、「ちょっとポエムっぽい表現だから、外資系の乾いた人はあまり使わないのかしら?詩心が無いって、よくないわよねえ。人間、もっと潤いがないと」なんて思っていたんですが。だから、自分が通訳間違えてるんだってば!!
でも、ミスに気付いてもわたしはめげません。
「お月さまとお星さまを間違えるなんて!ファンシーなミスだわ~」
なにせ、”contradictive”と”contraceptive”をしょっちゅう間違えそうになってドキドキしてしまうわたしのこと。それに比べたら、なんてかわいいミスでしょう。
喜んでいるくらいじゃないと、通訳なんてつとまらないのです。
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