第15回 知るか、そんなもん!
わたしを泣かせるのは、男じゃありません。資料です。もう、泣かされっぱなしです。
フォーマルな会議だと、資料も一般向けに、誰が読んでもわかるように書いてあります。専門用語はもちろんありますが、それでも「その業界なら誰でもわかるような専門用語」という意味では、一般性があるわけです。ネット検索などでたどり着けるので、意味がわからなくて困るということはそんなにありません。(ネットがない時代の通訳の苦労は、想像するにあまりあります・・・。)
困るのは、社内文書です。「仲間うちにしかわからない」おかしな用語がうじゃうじゃ出てきます。しかも、略語もいっぱいです。
「これって、製品名?プロジェクト名?なに?」
まさに暗号解読の領域です。
社内用語が多い企業だと、社員の方もついていくのに苦労するらしく、社内用語集がまとめてあったりします。この社内用語集をお客さまからいただくこともありますが、この中にもおかしなものがいっぱい出てくるのです。「FO」が「福岡」とか。「略すな、そんなもん!」と、思わずツッコミを入れたくなります。しかも解説には「明太、とんこつ・・・ああ、名店のあの味!」とか。「これって、用語集だよね?福岡グルメガイドじゃないよね?」とまたしてもツッコミを入れたくなります。
そんな社内用語集なども活用しつつ、あれこれネット検索をしたり、友人のネットワークなんかも駆使して頑張って何とか解読しても、どうしても意味不明で残るものがあります。そういうものは、ハイライトしておいて会議の直前にお客さまに確認することになりますよね。ところが・・・。
「この『OPJ』っていうの、何回も出てくるんですが。これはどういう意味なんでしょうか?」
「ああ、これねー。これ、小田さんがやってんの。『小田さんずプロジェクト』だから、OPJ。いいでしょ?わっはっはー!」
・・・いや、「わっはっはー」って・・・。あんなに解読しようと頭を抱えていたのに、それですか!?あの・・・言ってもいいですか?「知るか、そんなもん!」
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