第13回 接続詞のワナ
通訳のみなさん、だまされちゃダメです!
「しかし」
「・・・だったんですが」
お客さまがそんなことを言ったって、わたしは”However”とも”But”とも訳しません。だって、知ってるんです。その後の話が、「しかし」にも「ですが」にも、全然つながらないっていうことを・・・。
「予算もリソースも不足してます。しかし、これじゃあどうにでもできませんよ」
あれ?「しかし、頑張ってやり遂げます」とかいう決意を語ってくれるんじゃなかったんでしょうか?
「3月までに作業完了の予定だったんですが、予定通り完了しました」
あ、完了したんですか、よかったですね。「だったんですが、作業がずれ込んでしまいました」っていうお詫びをするのかと思いましたよ。日本語の「が」は、あいまいですもんね。
みんな、接続詞、いい加減に使いすぎです!
接続詞をきちんと使える人って、びっくりするくらい少ないんですよね。おかげで、いまではどんな接続詞も疑ってかかるようになってしまいました。通訳をすると、疑い深くなる・・・なんて、あながち冗談でもないのです。
「しかし」と言った後にお客さまが考え込んだりしてしまう場面もよくあります。間がもたないので、この「しかし」だけでも訳してつないでおきたいところですが、そうすると十中八九裏切られます。なので、間が持たずともここはぐっと我慢、が正解です。
お客さまによっては、お気に入りのつなぎ言葉があったりします。
「そもそもこれは・・・」
「とはいってもね・・・」
「これはすなわち・・・」
だから、用法が間違ってますから!
このところ増えてきたように感じるのは、これです。
「いや、逆にさあ・・・」
・・・。逆じゃない。どう考えても逆じゃないです、その後に続くお話・・・。結構ロジカルにお話を進めてくれるお客様なのに、このフレーズだけが玉にキズ、というパターンが多いようにお見受けします。
お客さまには、おかしな接続詞の使い方でどうか通訳を当惑させないでいただきたいものです。
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