第60回 long covidって何?
先日、ある日本人通訳者がlong covidを「コロナ禍の長期化」と訳しているのを聞いて「あれっ?」っと思いました。確かにMany people are suffering from long COVIDのような文だと「コロナ禍の長期化」と思ってしまうかもしれません。そこでTwitterでアンケートを取ったところ4割近くが「長期化」と回答。けれども、covidは前回取り上げた通り病気のことなので、「コロナ禍」ではなく「コロナの症状」。long covidとは「コロナの症状が長引くこと」、つまり「コロナ後遺症」を意味します。
「後遺症」はふつうaftereffectといわれますが、コロナに関しては「症状がいつまでも続く」というニュアンスがでるlong covid, long-term effects of coronavirus が一般的に使われています。
ちなみにWikipediaには「Long COVID」のページがありますが、日本語版はありません。けれども”long covid コロナ”で検索するとそれなりに関連サイトが出てきます。「コロナ後遺症」「長期コロナ感染症」などと訳されています。
イギリスの国民医療制度(NHS)のサイトには、以下のような症状が例として挙げられています。
- extreme tiredness (fatigue):強いだるさ、倦怠感
- shortness of breath:息切れ、息苦しさ
- chest pain or tightness:胸痛、胸の痛み
- problems with memory and concentration (“brain fog”):記憶・集中力の問題(脳に霧がかかったかのように...)
- difficulty sleeping (insomnia):睡眠障害、不眠症
- heart palpitations:動機
- dizziness:めまい
- pins and needles:しびれ
- joint pain:関節痛
- depression and anxiety:うつ、不安障害
- tinnitus, earaches:耳鳴り、耳痛
- feeling sick, diarrhoea, stomach aches, loss of appetite:吐き気、下痢、腹痛、食欲不振
- a high temperature, cough, headaches, sore throat, changes to sense of smell or taste:高熱、咳、頭痛、咽頭痛、味覚異常・臭覚異常
- rashes:発疹
個人的には「味覚異常・臭覚異常」が13番目、しかも他の症状と並べて記載されているのが意外でした。というのも、実は昨年3月、新型コロナウイルスがパンデミック化して間もないころに長男が大学でコロナに感染し、味覚・臭覚異常がなかなか治らなかったからです。体は元気になって、平常通りの生活が出来るようになってからも味覚・臭覚が戻るまでは半年近くかかりました。また感染数か月後にCovid toe(コロナのつま先)と呼ばれる症状が出たことも驚きでした。これは足の指先にしもやけのような症状が出て、痛痒く感じたようです。どちらの症状も消えるまでは心配でした。
患者さんによれば、長く続く症状について理解しれもらえず辛い思いをしている方もいるようです。
ということで、「軽症」であってもlong covidで長く患うことがあるのは実在すると身近な体験例でもってお伝えしたいと思いました。
2021年1月17日
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